2020年のオリンピック招致レースの最終候補に東京が残った。このニュースを聞きながら、「石原慎太郎知事はツイている。第2回東京オリンピックは実現するかもしれない」とニュースキャスターの辛坊治郎氏は思ったという。今回、ドーハが落選した背景には、アメリカの放送局が関係していると辛坊氏は指摘する。

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 カナダ・ケベックで行われたIOC理事会で二つの都市が落選した。一つは西アジア、アゼルバイジャンのバクーだが、もう一つの落選国は中東カタールの首都ドーハだが、落選理由は気の毒だ。それは「暑すぎるから」というものだった。

 カタールは「我が国にも、涼しいシーズンがある。10月以降に開催させてほしい」とアピールしたが、これが逆に「カタール落選」を決定付けてしまった。

 なぜ、カタールの10月開催プランが否定されたのか? それは、オリンピックの収益構造と深くかかわっている。直近の北京オリンピックの総収入のおよそ半分は、世界中のテレビ局が支払う放映権料だった。その額、実に25億ドル。その中で最大のスポンサーは、1988年のソウル・オリンピック(冬季大会は02年のソルトレイク)以来、夏季五輪放送をアメリカで独占してきたNBC放送だ。つまり、現代のオリンピック開催地選考で、もっとも大きな発言力を持っているのが、アメリカのテレビ局なのだ。

 アメリカのドラマシリーズは9月に始まって翌年の5月で終わる。それ以降の6月から8月に新作が放送されることはない。この時期はどこの局も再放送でつなぐ。また秋以降は、アメリカの国技ともいうべきアメリカンフットボールやバスケットボールのプロリーグも始まり、ドラマの新シリーズとともに放送枠奪い合いの繁忙期となる。つまりアメリカのテレビ局がオリンピックに莫大な放映権料を払うのは、新作ソフトのない夏の時期の視聴率対策という意味が大きいのだ。

週刊朝日

 2012年7月6日号