ここ1、2週間の永田町では、小沢一郎元代表の「公私」にいわたる動向が注目の的になっている。「公」はむろん消費増税関連法案の採決をめぐる離党騒動。「私」は、小沢氏の妻・和子さんが書いたとされる「手紙」の問題だ。

 この手紙では、「愛人との間に子どもまでもうけた」と夫の不実をなじり、「東日本大震災後、放射能が怖くて被災地に入らなかった」と、その政治姿勢を糾弾している。事の真偽は小沢夫妻が沈黙を守っているためわからないが、小沢氏周辺はこう明かす。

「オヤジの不倫がバレてから、和子さんは精神的に不安定だったようだ。社長令嬢で、世間知らずなところがあった。大物政治家の妻らしく、もう少し広い心で受け止めてもらえたらよかったんだが......」

 さらに事務所関係者もこう証言する。

「震災のころはすでに、夫婦間で話もできない状態で、秘書が時折、連絡役になっていた。逆に言うと、手紙で切々と綴っていた震災後の小沢事務所の状況なんて、和子さんは何も知らない。小沢さんが『放射能が怖い』と言って逃げたなんてバカな話はないし、地元のために何も動かなかったというのも違う。秘書たちも『和子さんとこんなやりとりはしていない』と言っている。ただ、困ったことに、小沢事務所でも和子さんとまったく連絡が取れず、その真意を測りかねている」

 いずれにせよ、小沢氏が妻から三行半を突きつけられたことは間違いなさそうだ。

※週刊朝日 2012年7月6日号