名門・東京女学舘大学が今春、新たな学生の募集の停止を発表した。のりピーこと酒井法子さんが入学したことで話題となった創造学園大学は今年、本校で入学者ゼロとなった。大学教育ジャーナリストの木村誠さんは、「向こう10年で大学が100校消えるかもしれない」と警鐘を鳴らす。

 その背景には、18歳人口の減少がある。ピークだった92年より4割少なくなった。日本私立学校振興・共済事業団の集計によると、全国の4年制私立大学の39%が定員割れしている。入学者数を入学定員で割った定員充足率は、昨年度過去最低の106.4%だった。

 大学が経営悪化で倒れていく一方で大学の数は増え続けている。92年度、4年制大学は523校だったが、規制緩和によって780校(11年度)になっているのだ。11年には5大学が、12年にも6大学が新たに誕生。「大学全入時代」と言われて久しいが、"全入"したとしても、学生が足りない、という事態になりそうだ。

「20年前の92年には、赤字でかつ定員割れしているという大学は2枚しかなかった。85%の大学は、定員を満たし、黒字だったんです。ところが、いまや定員割れかつ赤字、という大学が全体の4分の1、その数127校に達する。大学は救済スキームがいろいろあるので、企業のように突然バッタリいくようなことはないと思いますが、すでに危険水域に入っている学校は多い。10年後に100校が消えていても不思議ではない」(木村さん)

※週刊朝日 2012年6月29日号