日本武道館で6月6日に行われた「第4回AKB48選抜総選挙」は、昨年2位の大島優子が1位に返り咲き、大団円を迎えた。

 だが、そんな大島の笑顔とは対照的に、当選圏である64位以内に入れず、悔し涙を流す"圏外メンバー"がいた。

「名前を呼ばれなかったメンバーが退出する際、なかなかイスから立ち上がらない子がいたんです。肩を震わせ、ずっとうつむいていました。隣の子に促されてようやく立ち上がったと思ったら、潤んだ目で客席をジロっとにらんだんです」(現場にいたカメラマン)

 その後、ふてくされたようにして会場を後にしたというこの「大物」はいったい何者なのか。

「13期研究生の光宗薫(19)です。彼女は神戸コレクションのモデルオーディションでグランプリを獲得していて、ルックスも実績も十分。スーパー研究生とも言われている。運営側も、第2の篠田麻里子として売り出すため、力を入れているようです」(AKB関係者)

 たしかに、光宗の「活躍」ぶりはすごい。雑誌のグラビアはもちろん、テレビドラマやバラエティー番組に単独で出演するなど、異例の「好待遇」なのだ。

 だが、この"猛プッシュ"が裏目に出たのかもしれない。アイドル評論家の中森明夫氏はこう分析する。

「AKBのファンは、ちょっと弱点のある子や、苦労をしているストーリーのある子を応援する空気がすごいんです。だから、光宗さんのように最初から『この子は売れるぞ』と優遇されていて、なおかつルックスもよくて隙もない完璧な子は、なかなか応援してもらえないところがあるんだと思います」

 そんな彼女は、今後どうなるのか。アイドル誌編集者はこう語る。

「ファンは、今回の総選挙で見方が変わったと思います。挫折を味わったことによって、応援する舞台が整った。ようやくスタートラインに立ったんです」

※週刊朝日 2012年6月22日号