読売新聞社のトップ、渡邉恒雄さん(85)は、自社の新社屋ができる2年後まで生きて、「達者でポックリ」と逝きたいと考えているそうだ。健康体に見えるが、ヘビースモーカーのうえに長年不眠症だという。渡邉さんに話を聞いた。

*  *  *

 僕は中学校時代からずっと不眠症なんです。昔はね、中学生が薬屋に行って、ヒロポンとか買えたんですよ。それで集中して勉強するときはヒロポン飲んで2日ぐらい徹夜した。それで寝るときは効率的に寝たほうがいいと、自分で勝手に考えて睡眠剤なんかを飲む。

 大学までいってからヒロポンはよくないとピタッとやめたが、睡眠剤のほうは、もう不眠症になっちゃってますから、毎日飲む。今でも5、6種類飲んでいますよ、ちゃんと医者の処方で。今日まで70年ぐらい睡眠剤を飲み続けている。たばこと一緒ですよ。だから養生なんてなにもしていない。若いころから不摂生。昔は焼酎を一升一気飲みして新宿の路上で寝てましたよ。気がついたら身ぐるみ何もなかったという記憶もある。

※週刊朝日 2012年6月8日号