セ・リーグも今季から、観客動員数の減少に歯止めをかけようと、予告先発を導入した。

 1994年に導入したパ・リーグでは、大きな影響を及ぼした。

 試合前日から相手先発の研究ができることもあってか、5球団でチーム打率がよくなり、防御率が悪くなった。リーグ平均でみても、打率は1分7厘ほどよくなり、防御率は0.6点ほど悪くなった。まさに、「打者有利・投手不利」の傾向が浮かび上がったといえよう。

 このときロッテの投手として活躍していた野球評論家の小宮山悟氏も、自らの経験を踏まえてこう語る。

「相手の先発に合わせて打順を組めるのが予告先発の最大のメリットなので、打者有利の部分もある。逆に投手力が弱いところは不利です。先発投手が誰かわからない不気味さを取り除かれたわけですからね」

 もっとも、投手に不利な部分ばかりではないと言う。

「以前は『先発隠し』でダミーの調整を命じられることがありましたが、その必要がなくなるわけですから、気分的に楽です。私が横浜に移籍した00年、予告先発に慣れていたために、ダミーの調整を頼まれたことから、リズムが狂ったこともありました」(同)

※週刊朝日 2012年4月13日号