3月30日、プロ野球が開幕した。ダルビッシュ有のメジャー移籍や新生・横浜DeNAベイスターズの発足など、開幕前から注目された今季のプロ野球。「球界一の理論派」と呼ばれる野球評論家・小宮山悟氏が今季のV予想をした。

*  *  *

 セ・リーグは、大型補強をした巨人が頭ひとつ抜けています。ただ、中日ヤクルト阪神、広島の4球団は戦力が拮抗(きっこう)しており、正直、順位は読めません。

 そんな中でおもしろいのは、広島です。ケガから復帰した大竹寛が万全の状態となり、永川勝浩の調子も戻れば、投手陣は盤石。他球団と比べても遜色なく、勝ちまくる可能性もある。

 一方、昨季優勝した中日は、今季は厳しいかもしれない。落合監督から高木監督に代わったことでチーム内の緊張感が薄れ、タガが緩む可能性があるからです。負けが込んできたときに「落合さんのほうがよかった」という空気が選手たちに蔓延してしまうと、そのまま一気に落ちていく恐れがあります。

 パは昨季の上位4チームと、下位2チームの間に、大きな戦力差があると思います。

 キャンプを見た限り、オリックスが他球団より劣っているポジションは捕手だけ。井川慶や李大浩も加入し、投手陣や打線の駒はそろっています。

 主力の抜けたソフトバンクは、補強によって昨季と遜色ないレベルになりました。西武は、先発に回った牧田和久の代わりの抑え投手を誰がやるのかがポイント。ダルビッシュの抜けた日本ハムは、その穴を投手全員で穴埋めできるかが課題でしょう。

 ロッテ楽天は開幕後の補強が当たればAクラス入りも可能だと思いますが、現状の戦力では厳しいのではないでしょうか。

※週刊朝日 2012年4月13日号