3年ぶりの日本一に向けて、久々に札束を積む補強に出た巨人。だが開幕戦は散々だった。ヤクルト相手に0-4の完敗だった。相手エース石川雅規の前に9回1死まで無安打。何とか史上初の「開幕戦ノーヒット・ノーラン」だけは免れた。「札束補強」の目玉で、横浜からFA(フリーエージェント)移籍した村田修一は3打数無安打だった。

 巨人は昨オフ、村田に続き、ソフトバンクから左腕エースの杉内俊哉と、パ・リーグ最多勝のホールトンを引っ張ってきた。

 彼らは巨人でも同じように輝きを放てるのだろうか。ある球界関係者は、「巨人という環境につぶされるんじゃないか」と前置きして、村田についてこう語る。

「巨人には、各チームともエース級を当ててくる。横浜とはまるで違う。内角を突かれる中で、自分の打撃を崩さずにできるか」

 野球評論家の江本孟紀氏は、

「そもそも村田は下降線に入り始めているところで巨人へ来た。開幕戦は3番長野(ちょうの)久義、4番阿部慎之助、5番村田でいったけど、打線をいじり始めたら、巨人は相当苦労すると思う」

 投手の2人にとっては、広いヤフードームから狭い東京ドームへ本拠が変わる。

「ヤフードームでは外野フライでも、東京ドームならスタンドインすることがある。これはかなりの重圧。それにセ・リーグは指名打者制ではないため、終盤に代打を出されて交代というストレスを感じることになる」(前出の球界関係者)

※週刊朝日 2012年4月13日号