3月14日、約7ヵ月半ぶりに東京株式市場の終値で1万円台を回復した日経平均株価。多くの証券関係者が強気に転じており、投資の環境は明らかに好転したようだ。

「しかし、やみくもに投資しても儲けることはできません。こんなときは、『テーマ株』を狙ってみるのはいかがでしょうか」とフィスコの小川佳紀アナリストは語る。

 初心者でもわかりやすい手法として知られているのがテーマ株投資だ。相場は"期待"で上昇するもの。業績への期待が高まりそうなトピックを見つけ、関連する企業に投資するわけだ。

「例えば、日韓共催のサッカーW杯のときには茶髪の選手が多かったため、ヘアカラーが売れるとの期待からマンダムが上昇したこともありました」(証券関係者)

 専門家の間で話題になっている旬のトピックを本誌では八つ紹介した。ここでは、そのうち三つに絞って解説する。

■ロンドン五輪「活躍に期待がかかるのは、なでしこジャパン。女子W杯に続いて優勝が期待されていますよね。関連グッズの売れ行きなどに期待が膨らんでいます。なかでも、持ち帰り弁当『ほっともっと』のCMに選手が出演しているため、優勝すれば客数が増えるとの期待で、運営会社のプレナスを推す声も聞かれます」(小川氏)

「居間にいながら生で見ているような感覚が味わえるんです。パナソニックをはじめ、シャープ、ソニーなど3Dテレビを販売する会社の業績回復が期待されそうです」(証券関係者)

■除染「注目銘柄の一つは太平洋セメント。今後は汚染された土壌やゴミを保管する容器が必要となってきますが、同社は放射性物質に強いコンクリートの容器を開発している」(小川氏)

■スマホ「データ通信の高速化で計測器メーカーのアンリツ、基地局の設備投資では伊藤忠テクノソリューションズやネットワンシステムズが期待できそうです。これらは国内需要が大半なので、円高デメリットもない」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券投資情報部長の藤戸則弘氏)

「iPhoneの電子部品などを受注しているTDKやミツミ電機、イビデンなどが伸びそうです。ドコモから発売されれば、ユーザーが増えるため、さらなる伸びが期待されます」(カブドットコム証券チーフストラテジストの河合達憲氏)

※週刊朝日 2012年3月30日号