3月10日、東大の本郷キャンパスで前期日程の合格発表があった。小雨の降る肌寒い天候のなか、それでも多くの合格者が喜びの声をあちこちで上げた。

 受験番号が記された掲示板の前で満面の笑みを浮かべたのが、桜修館(東京)の岡ゆづはさん(18)だ。文科II類に合格した。同校は中高一貫校として6年前に開校した。

「初めての卒業生なので合格できてすごくうれしい! 学校では演劇部で活動していたので、大学では演劇サークルに入りたい。受験勉強は高校2年から塾に通いはじめました。数学が苦手だったので、その克服が大きな課題でした。でも経済学をしっかり学んで、将来は世界で活躍したいです」

 東大の受験勉強のコツを語ったのは早稲田(東京)の内山雄佑さん(18)。理科I類に合格した秘訣は、ズバリ過去問だという。

「一に過去問、二に過去問。傾向と対策をしっかり練りました。あとは定期テストをきちんとこなすことかな。数学が好きなので、将来は博士になることが夢です。入学してやりたいことは数学を究めること。世界にあふれる数式を、ずっと解いていたいです」

 浪人生も苦労の末、合格をつかんだ。

 麻布(東京)の阿部裕一朗さん(19)1浪して文科III類に合格した。「落ちたと思っていたので、うれしくて泣いちゃいました。大学では、社会学を勉強したい。この社会がどうなっているかを実際に見て、新しい社会を考えたい」

※週刊朝日 2012年3月23日号