「プレゼントはサプライズで」「デート中は常に女性のバッグを持つ」「車のドアは開けてあげる」

 男性誌には女性の心をつかむために様々な「レディーファースト術」が書かれている。しかし、漫画家の倉田真由美氏によると、世の中の女性はそういったことに喜ぶ「姫タイプ」と、そうでない「非・姫タイプ」とに分かれるという。

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 世の中の女って、「姫タイプ」と「非・姫タイプ」に分かれるなあ、とつくづく思う。勿論、私は後者である。

 姫タイプの女は、男にお姫様扱いされるのが好きだ。具体的なお姫様扱いというのは、たとえば下記である。

「常にレディーファースト」「デート費用はすべて男持ちが当たり前」「プレゼントはサプライズが嬉しい」「『お前』『あんた』と呼ばれるのは許せない」「自分が常に一番。結婚して子供が生まれたとしても、夫には自分を一番大事にしてほしい」

 男性誌に、「女たちはこうすれば喜ぶ!」と書かれるようなことである。確かに喜ぶ女もいるが、全然喜ばない女も同じくらいいることを、男はあまり知らない。現に、この話題の時にいた6人の女のうち、半数の3人は「レディーファーストいらない」という非・姫タイプだった。

 私は、ドアを開けたり荷物を持ってもらったりはイヤとまでは言わないが、サプライズの工夫をされたプレゼントははっきりと苦手だ。石田純一が得意の、雪だるまの中にこっそり指輪を隠すとかのアレである(石田さん本人はいい人だし好きなんだけど)。

 実は私自身が子供の頃、友だちのプレゼントにサプライズを凝らすのが好きだった。ティッシュペーパーの空き箱の中にプレゼントを隠し、上からティッシュを被せて「使いかけティッシュ」風にして贈ったりしていた。何を贈るか以上に、どんなサプライズで贈るかに頭を悩ませて、それを楽しんでいた。

 だからサプライズプレゼントを贈る側の気持ちが、透けて見えてしまうのだ。なんというか、「自己顕示欲」のようなものが。

※週刊朝日 2012年3月16日号