「OVER40」のプロ野球選手が開幕に向け意気盛んだ。田中将大や斉藤佑樹、中村剛也など伸び盛りの若い力も手ごわいけれど、主役は譲れない。記録に挑む者、再起にかける者。3月30日から始まるプロ野球公式戦は、40代ベテラン選手に注目だ。近年、選手寿命が延び、今年40歳以上の選手は17人。ベテランの立場について、楽天初代監督の田尾安志氏(58歳)はこう話す。

「監督になった05年度、楽天には35歳以上が17人と"窓際"のベテランが多かったんです。彼らには、先発投手なら『2試合続けて試合を作れたら1軍』など数字で目標を与え、若手に示しのつかない態度はさせませんでした。若手には『こいつらの散り際を見ておけ』と言いました」

 ベテランの背中を見て、若手は学び、成長していく。田尾氏が続ける。

「ベテランは『いつ辞めてもいい』という覚悟を持っていて、その覚悟が一年にかける思いとして強く表れます。才能あふれる若い選手もいいですが、ベテランがどんなプレーをするのかを見るのもプロ野球の楽しさだと思いますね」

※週刊朝日 2012年3月2日号