マリナーズとマイナー契約し、メジャーのキャンプに招待選手として挑戦中の川崎宗則内野手(30)が目立っている。「いつも通り。自然体」でやっているそうだが、それはメジャーリーガーたちにとって不思議な光景らしい。

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 象徴的だったのはノックを受けるときの"掛け声"。川崎は一球ごとに「ヘイ、カモーン!」と大声を出していた。日本の野球のノックでは当たり前の光景だが、ベースボールの現場にはない習慣だそうだ。

 「『不思議な英語を話していた』というコーチのコメントを聞いて笑っちゃいました。彼の物怖じしないところは城島健司(マリナーズ→阪神)と似ていて、異国でも十分やっていけると思います。でも、城島はそれが災いして投手陣から嫌われて干された。メジャーは『俺が投げたいボールを投げる』という投手主体の野球。川崎の場合、どんな逆境でも自分のペースで押し通せるかがポイントでしょう」(スポーツ紙デスク)

 初めて二塁の守備練習をしたときは右翼にイチローがいると勝手に想定し、「Ichi! I got it.(イチ、俺が捕る)」と掛け声を出す"エアイチロー"で周囲を笑わせた。

「一緒にいて楽しくなる選手」(ウェッジ監督) 
「ああいうキャラクターがウチには必要」(トンプソン・ベンチコーチ)

 首脳陣からも好意的に受け入れられているようだ。

※週刊朝日2012年3月2日号


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