天皇陛下の心臓バイパス手術が2月18日に行われ、無事成功した。

 天皇陛下が公務に復帰するまでの間、国事行為の臨時代行と天皇陛下の「ご名代」を務める皇太子さま。プレッシャーは大きいだろうが、2月1日に天皇陛下の検査入院が発表された時点では、あくまでマイペースだった。

 9日には、宮内庁が「皇太子さまが仏政府から、同国で3月中旬に行われる世界水フォーラムに招待された」と発表した。皇太子さまは3月11日以降の訪仏を検討しているが、天皇陛下が公務に復帰するまでには、順調にいっても3週間ほどかかるとみられるので、訪仏が実現するか微妙だ。

 そもそも9日の時点では、11日の検査入院を控え、永田町や霞が関界隈ではすでに手術の可能性が取りざたされていた。そうなれば昨年秋に続き、病気によるものは3度目となる国事行為の臨時代行を務めなければならないことは十分に予想できた。それだけに、皇室ジャーナリストの神田秀一氏は首をかしげる。

「水問題は皇太子さまのライフワークですが、天皇陛下の公務復帰が遅れる事態を想定したら訪仏どころではないはず。発表のタイミングも微妙です。天皇陛下と皇太子さまの間で十分な意思疎通が図れていないのではないでしょうか」

 入院前日の2月16日には、秋篠宮ご夫妻は御所で両陛下と夕食をともにした。一方、皇太子さまはこの日の夕方、国事行為の臨時代行の勅書を天皇陛下から受け取ったが、夕食はともにしなかった。別の皇室ジャーナリストは、この点にも違和感があると言う。

「皇太子さまはまじめなご性格なので、天皇陛下の代行という立場の重さを考えて、あえて公私のけじめをつけられているのかもしれません。ただ、雅子さまもこの間、一度も御所を訪れていない。今後は、雅子さまが陛下をお見舞いされるかどうかが気になります」

※週刊朝日 2012年3月2日号