夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美さん。テレビ番組の打ち合わせに来所した30代独身美人ディレクターから、ある恋愛相談を受けた。そこで、好みの男性のタイプの見分け方を語った。

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「彼氏いない歴4年なんです、私。前の彼はオラオラ系でした」
「あなたのお父様はどんな人ですか?」
「じつは父もオラオラ系です。母が気を使ってました」
「お母様は不幸でしたか」
「ちょっと強引な父ですが、逆らわなければ面倒見もいいし、パワフルでよく働く人だから、母は家でのんびり幸せそうです」
「どうしてオラオラ系の彼と別れることになったのかしらね」
「女友だちから『オラオラ系の男なんかとつきあってると苦痛でしょ』って言われたからなんですけど、ほんとに別れてよかったのか今でも悩んでいます」

 よかれと思いアドバイスしたのだろうが、残念ながら人の好みはさまざまだから、女友だちにとっては楽しくないオラオラ系の男性を好きな人もいる。少なくとも彼女の場合は、父親と母親という男女モデルから、オラオラ系とのつきあいかたを身につけて育ってきたため、女友だちが思うほどの苦痛を感じることはない。逆に、いつも優しく気づかってくれる男性とつきあうと、申し訳ない気持ちになり緊張する場合もある。

 世間で「優しい男がいい」と言われて久しいが、彼女のようにオラオラ系が好きな女や、経済的に自立できない男を支えることに喜びを感じたり、異性関係にだらしない男だからこそ離れられないという女もいる。目当ての女性がいたら尋ねてみよう。

「君のお父さんはどんな人?」

週刊朝日 2012年2月24日号