吉本興業とその子会社・よしもとクリエイティブエージェンシーが石屋製菓に訴えられた「面白い恋人」問題。「白い恋人」を製造販売する本家側が、類似商品で商標権を侵害されたとして、販売差し止めや商品の破棄を求めている。1月に始まった裁判で原告側は損害賠償も新たに請求。その額は1億2千万円だという。

 本業はアナリストであり、恋愛コラムニストであるフェルディナント・ヤマグチ氏は、日本の"お土産"文化に言及し、本家「白い恋人」についてこう話す。

「日本の麗しき風習に呼応して、JRの主要駅や各地の空港では、実にバラエティーに富んだオミヤゲが並んでいます。その中でも無難な選択の王者といえば、石屋製菓の『白い恋人』でありましょう。元々は北海道限定商品だったのですが、適度な美味しさと安価な価格設定により、"全国区"のオミヤゲへと上り詰めました」

 そして、「この安定した市場へ突如切り込んだ」のが、「面白い恋人」だという。

「ゴーフルにみたらし風味の微妙クリームを挟み込んだ、お世辞にも美味しいとは言い難いものですが、ジョーク商品として急激にその知名度を上げています」と話すヤマグチ氏。裁判の行方については、こう予想する。

「現実問題として訴え通りに裁判を勝ち取るのは難しいでしょう。お味は白い恋人の勝ち、裁判は残念ながら敗退、というのが主な玄人筋の見立てであります」

 さて、どうなるか。吉本興業側は、「話し合いによる円満な解決を希望している」そうだ。

※週刊朝日 2012年2月17日号