福島第一原発周辺自治体の被災避難者を対象にした「双葉八町村住民災害復興実態調査」の回答が一部明らかとなった。調査は昨年9月~10月、自主避難者を除く2万8184世帯に郵送で行い、1万3576世帯から回答を得た。

 注目されたのは被災避難者の帰還意思に関する「故郷に戻る条件」。回答は以下、6つのなかからの選択方式。

【1】国が示す安全なレベルまで放射線量が下がればすぐにでも 4.4%
【2】1に加え、上下水道、電気ガスなどの生活インフラが整備されたら 16.2%
【3】1と2に加え、国や自治体による十分な除染計画が策定・実施されたら 20.8%
【4】1~3に加えて他の町村民がある程度戻ったら 25.5%
【5】戻る気はない 24.8%
【6】その他(自由記述) 8.3%

「状況が整えば戻りたい」という人が多かったものの、年齢別では若い世代ほど「戻る気はない」が多くなる傾向がみられた。また、【6】の自由記述で多かったのが、「3・11以前の状態に戻ったら」という声。そして【5】の「戻る気はない」という表現そのものに違和感を感じ、「戻りたくても戻れない」と書き加えたケースも多くあったという。

※週刊朝日 2012年2月17日号