関西の視聴率男・やしきたかじんが2月1日未明、「活動休止」を宣言した。これにともない、1日付けのスポーツ紙と一般紙は、たかじんが食道がんを患い、すべてのレギュラー番組を休むことになったと報じている。

 ただ、趣の異なる「事実」を報じた新聞が2紙あった。デイリースポーツと産経新聞の大阪本社発行版の14版だ。

 デイリースポーツの記事は以下のとおり。

〈別の休養理由もあるのではという見方も。「私生活でのトラブルも持っていたようで、休養は複合的な要素によるもの。以前からたかじんさんの身辺について、幹部クラスが話し合いを持っていた局もある」と話す関係者もいる〉

 また、産経新聞には〈暴力団と交際指摘も〉との小見出しがあり、こう記述されていた。

〈一部民放局の番組内で、たかじんさんと暴力団関係者との交際を指摘する声もあり、たかじんさんとの共演の自粛を求めるなどトラブルになっていた〉

 このたかじんと暴力団に関わる"根拠なき噂"は、実は昨年12月から浮上していた。「紳助の次はたかじんか?」という噂や、山口組の「直参」といわれる幹部との写真が出回っているという話もあった。さらに、紳助と関わりが深かった山口組系極心連合会相談役の渡辺二郎被告の携帯電話メモリーにたかじんが登録されていたこともあって、噂はより信憑性を増した。

 そして1月31日、極めつけとばかりに「たかじんが引退する」との噂が急激に広がり始めた。情報元は大阪府警を担当する在阪の記者たちで、このような話だった。

「たかじんが明日、"引退"を発表するで。本当は読売テレビに暴力団との交際を示す写真を持ち込まれ、無視できなくなったことが原因なのに、がんだったと発表するんやて」

 1月31日の深夜、「がんによる休養」は"予告"どおりに発表された。だが直後に、急激に広がったこの噂をトーンダウンさせる出来事があった。2月1日、暴力団捜査を担当する捜査4課幹部のレクがあったのだ。ここで「暴力団との交際」を書いた産経の記者が、たかじんの情報を求めて食い下がった。しかし、4課も情報収集はしたものの、具体的な話は上がってこなかったという。そのやりとりを見ていたある大阪府警担当記者は、「その記者がレクの後に『やっちゃったかなぁ』と漏らしていたのが印象的でした」と話した。

 果たして、真相はいかに―――。

※週刊朝日 2012年2月17日号