「実は彼女がやってきたころに『夫からの家庭内暴力に遭い、警察のアドバイスで逃げてきた』と噂が流れた。最初は彼女が誰かに言うたんやと思う。それで周囲も深く事情を突っ込まんほうがええということになった。『コリゴリ』と言われると、『本当に苦労してきたんやな』と思うやん」(前出の商店主)

 ほかの男を拒む言動や行動、噂――これは、平田容疑者への愛の深さの裏返しにも見える。

 少し、鼻にかかった遠慮がちな話し方をする控えめな平田容疑者に明美容疑者は昔から淡い恋心を抱き、「教団で知り合ったときから平田をずっと尊敬していた」と語っている。95年5月ごろ、平田容疑者から「2人でここを出よう」と声をかけられ、一緒に行動するようになった。

 平田容疑者の暮らしぶりについて、明美容疑者は滝本弁護士にこう話している。

「平田は私が知る限り、住まいの移動のとき以外、一切外に出ませんでした。警察や周囲の人に気付かれそうになるとすぐ移動しました。家で彼は結構、洗濯、料理をしてくれていました。麻婆豆腐、カレーが得意でした。日中はテレビを見たり、パソコンをしたりしていました」 

【「愛欲生活15年」の全真相(下)へ続く】

週刊朝日