野球浪人を表明し、ドラフト1位指名された日本ハムへの入団を拒否した東海大の菅野(すがの)智之投手(22)。巨人の原辰徳監督(53)の甥で最速157キロを誇る右腕の前途は、多難だと言わざるを得ない。

 まず懸念されるのは、社会人チームに属さず、大学の施設を利用してトレーニングするということで、真剣勝負の場がないため、実戦感覚が失われる、ということだ。

「既に完成された選手ならまだしも、ポテンシャルは高いものの発展途上である投手の菅野が1年のブランクでどれだけ劣化してしまうか、不安視する声が多いですね」(ベテラン記者)

 また、浪人となれば現役との戦いになるのは、受験と同じ。菅野の1学年下で「来年のドラフトの目玉」と言われているのは亜細亜大の東浜巨(なお)投手(21)だが、その評価がすこぶる高いのだ。

「菅野より東浜のほうがチームに貢献する投手ですよ。東浜は"勝つ投手"なんです。中央大時代の沢村拓一(ひろかず)(現・巨人)と比べても『大人と子供の差がある』と中大関係者が認めていたほどですから(笑い)。コントロールと"頭"で勝つタイプの東浜には、かなりの球団の指名が重複すると予想されてます」
 と語る大学野球関係者は、「今年は菅野で来年は東浜、というのが巨人のシナリオだったはず」と笑う。
「2人同時には1位指名できないのだから、どうするんでしょうね、巨人は? しかも原監督は来年、優勝できなかったら解任される可能性だってあるんでしょ? 伯父さんに2度目の『人事異動』が発令された直後のドラフトで指名されたら、その甥はどう思うんですかね」(同)

 そこへ持ってきて阪神が来秋のドラフトの有力指名候補として菅野を考えているらしい。球団首脳が「もちろんリストアップします。それはそうでしょう、それだけのピッチャーですから」と語ったとか。

「阪神だけじゃないはずです。なんたって原監督がいなくなるかもしれないのだから、多くの球団がリストアップすると思いますよ」(前出のベテラン記者)

 いくら菅野が巨人に操(みさお)を立てても、空しい結果になりそうな話ばかり。他人事ながら心配になってしまうのだが......。 (渡辺勘郎)


週刊朝日