冒頭の本誌ムックで、談志さんは何に生まれ変わりたいか問われてこう答えた。

「なんでもいいよ。ヘビでもカラスでも。味の素かなんかに生まれ変わるかね」

 これまでにない味の濃い調味料になりそうだ。 

■談志波乱の生涯
1936 東京都文京区に生まれる(1月2日)
1952 高校を中退し、16歳で五代目柳家小さんに入門。柳家小よしを名乗る
1954 二つ目に昇進し柳家小ゑんに改名
1963 立川談志を襲名し、真打ちに昇進
1966 日本テレビ「笑点」の企画を発案し、69年まで司会者を務める
1969 衆院選に無所属で出馬したが落選
1971 参院選の全国区に無所属で出馬し初当選。自由民主党に入党
1975 三木内閣の沖縄開発政務次官に就任。在任36日で辞任し自民党を離党
1983 師匠小さんと対立。落語協会を脱退し落語立川流を創設、家元になる
1997 食道がんの手術を受ける
1998 客の居眠りを理由に高座を中断、客は退席させられた。客の損害賠償請求は棄却
2008 喉頭がんを発病
2010 喉頭がんが再発
2011 最後の高座。演目は「蜘蛛駕籠」(3月)
      75歳、喉頭がんで亡くなる(11月21日)

週刊朝日

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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