(5)照明 LED電球を使えば▼83%

 40W型の白熱電球は36W程度の電気を消費する。ところが、同じ明るさのLED電球は6W前後ですむ。この交換だけで電気代は6分の1になり、83%も節電できる。白熱電球をまだ使っている人は、LED電球に交換するところから始めよう。

 1日8時間点灯する場合は、(36W-6W)×8時間=240Whの節電となり、1日約5円の電気料金が節約できる。

「あなた、そんな偉そうに言ってもLED電球って4千円とかするらしいじゃない」と妻が叫んでいるが、ご心配なく。最近では2千円を切るものも珍しくない。

 1日5円の節約なら、年間の電気代の節約額は1825円で、LED電球の買い替え代も出る。しかも寿命は10年もあるぞ。

 さらに興味深いのは、人間の居るときだけ点灯する電球だ。アイリスオーヤマの「ECOLUX(エコルクス)人感センサー付き」(3千円程度)がそれ。人を感知すると電気が付き、居なくなると5分後に自動で消える。

 白熱電球で20W程度の明るさなので、飲食店のトイレなどに最適だ。消費電力は6Wで、消灯している時も0・6Wの待機電力がかかる。

 通常の20W相当の明るさを持つLED電球(消費電力は4W)を飲食店がトイレに使い、営業中に10時間点灯していたとすると、1日の消費電力量は40Wh。

 人感センサー付きにして、30人が一定の間隔で、ひとり平均3分トイレを使ったとすれば、消灯まで5分かかるから8分×30人=4時間。4時間×6Wで、トイレ使用時の電力量は24Whになる。これに残り20時間分の待機電力(20時間×0・6W)を加えると計36Wh。通常のLED電球の40Whに比べ、センサー付きのほうが10%の節電になる。

 飲食店ほど使用頻度が高くない家庭のトイレでも、消し忘れがなくなるのでセンサー付きは効果を発揮する。とくに、家族の消し忘れにイライラしている人にはぜひお薦めしたい。

(6)炊飯 電気圧力鍋で炊くと▼39%

 毎日の料理では、どれぐらいの省エネが可能だろう。

 1合の無洗米(158グラム)を「電子レンジ+電子レンジ用の炊飯容器」「100V電源用のIH調理器(ナショナル=現パナソニック、以下同=KZ-PH30)に鋳鉄鍋(ル・クルーゼ)」「電気炊飯器(ナショナルSR-ST10A)」の三つのパターンで炊飯してみた。

 結果は、

「電子レンジ」140Wh

「IH調理器」140Wh

「電気炊飯器」150Wh

 で、ほとんど差は出なかった。米のうまさで言うと、電気炊飯器が突出していたので、どの方法を選ぶかは食味との兼ね合いか。

 ここで思いついたのだが、「電気圧力鍋」を使うとどうなるだろう? パナソニック「SR-P37」(2万5千円程度)で、無洗米を356グラム(これが最低炊飯量で、2・25合になる)炊いてみた。

 結果は、圧力がかかった状態になってからの加熱は5分程度で、電力量は140Whだった。米の量は倍以上なのに、使う電力はほかの方法と変わらない。

 まったく同量の米を改めて電気炊飯器で炊いてみたが、53分で230Whを使った。この差は大きい。電気圧力鍋は約39%省エネということになる。

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