今の家庭での電気の使い方は、メーターを倒さないタクシーに乗っているようなものだ。料金は1カ月分まとめて請求されるので、どの電気機器が大量の電気を消費しているのかはよくわからない。個別の機器の消費電力がわかれば、節電のやり方もおのずとわかってくるというものだ。

 そこで、東京・秋葉原の電気街でサンワサプライ社製の「ワットモニター」(実売価格4800円)を買ってきて、節電の方法を探ることにした。手のひらにのる小さな計測器で、コンセントに差し込んで本体下に測定したい電化製品の電源をつなぐと、1ワットの電気を1時間使うときの電力消費量(Wh=ワットアワー)や電気料金がわかる優れものだ。

 地域によって違うが、1千Whの電気代はおおむね21円。一般家庭では1日に1万Wh程度を使うので、1カ月の電気代は約6300円になる。

(1)テレビ ブラウン管→液晶で▼65%

「いつになったら、地デジになるの!」

 女房にはこう言って呆れられるのだが、わが家はいまもブラウン管のアナログテレビを使っている。25型のソニー製「KV-25DS55」で、購入してそろそろ10年になる。

 カタログ値の年間消費電力量は13万1千Whで、最新の32型液晶テレビと比べると約3倍になる。

 テレビの消費電力量は通常、1日4時間半視聴し、残りは待機状態だったという想定で計測する。

 そこで、わが家のテレビを4時間半視聴してみると、消費電力量は328Whだった。残る19時間半の待機電力は1Wh程度だったので、年間の消費電力量は12万Wh程度だ。なんと、カタログ値よりも小さいではないか。夜中に実験して家族に「うるさい!」と怒られたので、音量を絞った結果だろうか。

 ちなみに、パナソニックの32型液晶「TH-L32C3」に買い替えれば、年間の消費電力量は4万2千Whで、65%の節電になる計算だ。

 一方、同じ42型のプラズマテレビと液晶テレビを比べると、液晶が年間9万Whを消費するのに対し、プラズマは年間15万4千Whと約1・7倍になる。

 この数字を見て、プラズマテレビは断念。ていうか、早く地デジ対応しろって?すいません。

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