「今や中古市場でジャンボ機の価格は5億~7億円ともいわれています。スカイの提示額はそれほど悪くなかったはず。それをよく検討もせず、余剰人員を押しつけてくるとは、JALの経営体質が何も変わっていないということです」

●更生案で回復と思う銀行はない

 JALの更生計画案がこのほどようやくまとまった。8月31日に発表され、11月末に認可される見込みだ。発表時期が当初予定から2カ月も遅れたのは、債権カット率の増加や新規融資に応じるかで銀行団の了承がなかなかとれなかったからだ。結局、カット率は上げたが、新規融資についてはなお銀行団は了承していない。

 「今回の更生計画の骨子は不採算路線と余剰人員のカット。これまでやってこなかったことのほうが不思議な内容で、これでJALが回復すると思う銀行はないでしょう。まして新規融資なんて考えられない」

 ある主力銀行の担当者はそう苦笑する。別の銀行の担当者もこう話す。

 「今後、経営陣の一新を含めた経営改善をやっていただき、回復のめどが立たない限り、新規融資は無理でしょう」

 今回の更生計画案で銀行側が何より問題視するのは、更生後もJALがANA同様の国際線と国内幹線を中心とした大規模航空会社であり続ける点だ。果たしてANAと共存していけるのか、誰にもわからない。

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