「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由 (1/3) 〈東洋経済〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由

このエントリーをはてなブックマークに追加
渡部卓 東洋経済

 中高年世代にとって電話での会話は何でもない行為。だが、若い世代にとって「電話」は不安やストレスを募らせる避けたい行為のようだ。なぜ「電話嫌い」の若者が増えたのか? 産業カウンセラーの渡部卓氏による新書『あなたの職場の繊細くんと残念な上司』から一部抜粋・再構成してお届けする。

*  *  *
 先日、ある中小企業の部長が私にボヤいていました。

「いまどきの新人は、来社した顧客に対して笑顔がないんですよ。さすがによくないと思ってやんわりと注意したら、聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で『面白くもないのに笑えません』なんてボソッとつぶやかれて、あぜんとしました」

 ボソッとつぶやいたとはいえ「面白くもないのに笑えません」と反論してしまうこの“新人”の態度は改めなければなりません。ただ多くの学生と接している私からすれば、彼は決してムッツリしていたわけではないと思います。でも、社会通念上で要求されるレベルの笑顔にはほど遠かったようです。

 原因は、彼が育ってきた環境にもあるでしょう。喜怒哀楽を表出させる場面が極端に少なくなっているからです。私らの子どもの頃は、学校から帰宅したら外に出て遊んだり、行動範囲が広く、他人と接する機会も多かったものです。

■20~30年前の常識はもはや通用しない

 ところが、いまの時代は帰宅後は塾で忙しいし、家にいれば1人で過ごすツールも充実しているため、あまり外に出なくても楽しいことがいくらでもあります。1人で楽しめるので、家族とのコミュニケーションの絶対量も少ない。兄弟姉妹がいない子も多く、あまり喧嘩もしない。つまり、表情が豊かになるような体験、経験、失敗の絶対量が減ってきているのです。

 それなのに、職場が以前の価値観、経験則に基づいて、社員を枠にはめたりマネジメントしたりすれば、ミスマッチが起こるのは当然でしょう。先の「お客様の前では笑顔でいろ」はその典型です。我々の世代にとって当たり前のことでも、同じ文化を経ていない彼らには簡単にはできないのです(しなくていい、ということではありませんが)。

 似たケースに、定時で仕事が終わった新人が、まだ残っている上司や先輩に「何かやるきことありますか」と訊く慣例があります。20~30年前の職場なら当たり前の光景でした。意訳するなら「今日はこのまま帰ってよろしいですか」と許可を求めているわけです。



トップにもどる 東洋経済記事一覧


続きを読む


おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事
あわせて読みたい あわせて読みたい