24歳アイドル「メンタル崩壊どん底」で見た試練 (3/3) 〈東洋経済〉|AERA dot. (アエラドット)

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24歳アイドル「メンタル崩壊どん底」で見た試練

猪狩ともか東洋経済
3回目の「組閣」でも、候補生から仮面女子に昇格できず、泣き崩れる猪狩ともかさん(写真:ドキュメンタリー「純血」1201話より )

3回目の「組閣」でも、候補生から仮面女子に昇格できず、泣き崩れる猪狩ともかさん(写真:ドキュメンタリー「純血」1201話より )

 かなり落ち込みましたが、やっぱり「心の病」を経験したという理由があるわけだし、時間をさかのぼることもできません。「薬(向精神薬)を飲んでいるメンバーを仮面女子にあげることは難しい」プロデューサーはそう話してくれました。このとき、休業中のような症状はなかったものの、まだ通院は続けていましたが、これを機に薬を飲むことも通院も断つことになりました。

「4回目の組閣に向けて、また日々頑張るしかない」いったん気持ちが整理できると、不思議なことに、自分でもビックリするぐらい元気が出て「前を向く」ことができました。

 それから半年ほど経った4度目のチャレンジで、私はついに念願の仮面女子に昇格することができました。

 候補生になってから仮面女子になるまで実に3年間。下積み期間では当時、私が最長記録でした。
 
 仮面女子になってからは、毎日のようにステージに立つことに加えて、それ以外の活動もグンと広がり、「夢のような日々」を送っていました。

 私は子どもの頃から、母に手を引かれて西武球場(現メットライフドーム)に応援に通い、自分で独自の「野球ノート」をつくって、選手の特徴や試合の成績をメモしたりするほどの「ライオンズファン」。

 だからアイドルになったときも「野球関係のお仕事をしたい!」というのは夢のひとつで、「メットライフドーム」での始球式もさせて頂いたときは、もう子どもの頃からの夢が叶った瞬間で、天にも昇る思いでした。

●「あきらめないことの大切さ」を伝えたい

 このときインタビューを受けて、こんなことを話しています。

「ひとつの夢を実現させることができました」

「あきらめないことの大切さ、私が夢を追う姿を、これからもひとりでも多くの人に見てもらい、たくさん感動と勇気を届けたいです」

「みんなの希望の光になりたいです」

 この言葉は、のちに私自身を支える言葉となってくれました。

 すべての夢が叶い、毎日が夢のように順調、キラキラした毎日を送っている中、私はある日突然、強風で倒れてきた看板の下敷きになり、脊髄損傷による下半身不随になる、という事故に遭いました。

 私自身、「誰かを元気づけられる」「人に勇気を与えたい」なんて、カッコいいことを言える状況ではなくて、今はまだ自分のことで精一杯です。

 それでも「自分のためにやっている」ことが、ほんの少しでも人を元気づけたり、勇気を与えたり、「結果的に人を励ますこと」ができたら、それは自分の「自信」となり「生きる糧」となる──そう信じて、持ち前の「前向き思考」で、毎日を笑いながら楽しく、「前を向いて」人生を歩んでいます。

(猪狩 ともか : アイドルグループ「仮面女子」メンバー)


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