24歳アイドル「メンタル崩壊どん底」で見た試練 (2/3) 〈東洋経済〉|AERA dot. (アエラドット)

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24歳アイドル「メンタル崩壊どん底」で見た試練

猪狩ともか東洋経済
3回目の「組閣」でも、候補生から仮面女子に昇格できず、泣き崩れる猪狩ともかさん(写真:ドキュメンタリー「純血」1201話より )

3回目の「組閣」でも、候補生から仮面女子に昇格できず、泣き崩れる猪狩ともかさん(写真:ドキュメンタリー「純血」1201話より )

 休業してまず、事務所や家族にすすめられて、心療内科を受診しました。そこで下った診断が「双極性障害」でした。

●本で初めて明かした「躁うつ病」で苦しんだ過去

 双極性障害とは、いわゆる「躁うつ病」です。気分が上がるハイテンションの状態と、憂鬱で何もしたくなくなる状態を繰り返す病気です。

 私の場合はハイ状態が強く、たまに下がって、また上がるという状態でした。

 ハイ状態というと「気分が上がってゴキゲンな状態」と思われるかもしれませんが、それを通り越して「高揚しすぎ」な状態になってしまっていて、時にはそれがちょっと攻撃的になってしまうこともあり、やはり普通の状態ではないわけです。

 休んでいる間は部屋の掃除をしたり、愛犬と遊んだり……。家族とたくさん話したり。ゆったり過ごすことを心がけるうちに、「回復していく」のを実感しました。

「心の病」というと、薬の副作用だとか、症状を繰り返すとかいろいろあるようですが、私の場合は短期間で回復することができて、現在まで再発したことはありません。

 最初、心療内科を受診することには抵抗がありましたが、「通ったことでしっかりと治すことができて本当によかった」と思っています。
 
 医師に「休養が必要」と言われた帰りの車で、私は「2カ月も休むなんて嫌だ!」と泣きじゃくってしまいました。

 このとき、父に言われた「たとえば、骨折している脚で走り続けたら、脚は治らないでしょ? この先もアイドル活動を続けたいなら、必要な期間なんだよ」という言葉を、今なら理解することができます。

「心療内科を受診する」ことも、「心の病で休む」ことも、何も恥ずかしいことではないのです。

 このことは書くかどうか迷いましたが、『100%の前向き思考』で初めて公表することにしました。

 2カ月間の休養を経て、ステージに復帰することになりましたが、ファンの皆さんは驚いたみたいです。

 というのは、今までこういう事情で休業した子も少なからずいたのですが、そうしたケースでは必ずといっていいほど、そのまま辞めていってしまったからです。

 だからみんなに「猪狩も戻ってこないんじゃないか」「もうダメなんじゃないか」と思われたようです。通院のことや病名など詳しいことは公表していなかったけれど、みんな私の状態のことはわかっていて、心配してくれていたのです。

 復帰当初は、最初から毎日劇場公演に参加する「完全復帰」ではなく、週1日、週2日……というように少しずつ劇場公演に参加していくことになりました。

●「今は昇格ではなくて完全復帰を目指そう」

 そんな中で行われた、自身2度目の組閣でも、名前を呼ばれることはありませんでした。このときプロデューサーから言われたことは、「今は昇格ではなくて完全復帰を目指そう」ということ。

 心療内科の医師からは、まだ完全復帰は早いと言われていましたが、組閣で味わった悔しい気持ちをパワーに変えて、半ば強引に完全復帰することに決めました。まだ通院していて、つらいこともあったけど、頑張って毎日劇場に通いました。

 ハイ状態を抑える薬の効果で、逆にやる気を出すのが難しくなった時期もありましたが、「とにもかくにもステージに立たなければ、仮面女子への道は閉ざされてしまう」という思いから、毎日必死でした。

 そして迎えた3度目の「組閣」でも、私は昇格できませんでした。

「心の病気」から立ち直って、毎日ステージに立ち続けた。「なのに、なんでダメなの?」「こんなに頑張ったのに、なぜ認めてくれないの?」悔しくて悔しくてたまりませんでした。


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