「ごくせん」「野ブタ」人気に見えたテレビの矛盾 (2/5) 〈東洋経済〉|AERA dot. (アエラドット)

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「ごくせん」「野ブタ」人気に見えたテレビの矛盾

木村隆志東洋経済#ドラマ
10年前の再放送ドラマが人気を博しているワケは?(写真:各番組ホームページ、(C)TBS)

10年前の再放送ドラマが人気を博しているワケは?(写真:各番組ホームページ、(C)TBS)

 なぜ今、ひと昔前のドラマが支持を集めているのか? ネット上のコメントを掘り下げていくと、単に「懐かしいから」「名作だから」ではない5つの理由が浮かび上がり、それらはテレビ局にとって喜んではいられないものだったのです。

●刑事、医師、弁護士ばかりの現状に不満

 ひと昔前のドラマが支持を集めている最大の理由は、近年ほとんど放送されていないジャンルの作品が多く、視聴者にとって魅力的に見えるから。視聴率対策などの理由から、刑事、医師、弁護士が主人公の1話完結ドラマが過半数を占める時期が続き、辟易とする視聴者が少なくありませんでした。

 実際、「愛していると言ってくれ」は純度の高いラブストーリー、「古畑任三郎」は犯人をどう追い込むかに焦点を当てた倒叙ミステリー、「ごくせん」は熱血教師の学園モノ、「野ブタ。をプロデュース」は高校生の青春群像劇、「JIN -仁-」は幕末と現代を結ぶ歴史ファンタジーと、連ドラ本来の魅力である多様性であふれています。

 つまり、ひと昔前のドラマが支持を集めているのは、最近の作品に不満があるから。もちろん中には満足できる作品もあるものの、「また殺人事件ばかりの刑事モノか……」「医療モノが続いてしんどい」という不満がくすぶり続けていたのです。このような視聴者心理は、今冬に長編ミステリーの「テセウスの船」(TBS系)と胸キュンラブストーリー「恋はつづくよどこまでも」(TBS系)がヒットしたことからも理解できるのではないでしょうか。

 再放送を見た人々は、「こういうドラマをもっと見たいんだよ」「だから結末がわかっているのに、つい見たくなる」などの声を上げていました。多くの情報を得て賢くなっている視聴者の中には、テレビ局の事情でドラマのジャンルが偏り、多様性が失われている理由がわかっている人も少なくありません。

 録画視聴が定番化し、ネット視聴も増えているにもかかわらず、リアルタイム視聴をベースにした視聴率獲得にこだわっているから、各局が横並びのように刑事、医師、弁護士のドラマを量産してしまう……。こうしたテレビ局の姿勢に対する不満が再放送の支持につながっているのです。


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