「ターミネーター最新作」が世界中でコケた理由 (2/3) 〈東洋経済〉|AERA dot. (アエラドット)

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「ターミネーター最新作」が世界中でコケた理由

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猿渡由紀東洋経済
「ターミネーター」シリーズ最新作『ターミネーター/ニュー・フェイト』が大惨敗している。その理由とは?(写真:Jun Sato/WireImage/ゲッティイメージズ)

「ターミネーター」シリーズ最新作『ターミネーター/ニュー・フェイト』が大惨敗している。その理由とは?(写真:Jun Sato/WireImage/ゲッティイメージズ)

 そして今では、当時斬新な設定といわれていた「AIの脅威」さえ現実になりつつある。タイムトラベルのコンセプトも、この28年の間に、さんざんいろんな形で見せられてきて、もはや新鮮味はない(つい最近も『アベンジャーズ』で同じコンセプトが扱われていた)。

 さらに、28年前は、中国をはじめとする新興の映画市場が存在しなかった。

 新興国の観客は『ターミネーター』を最近の作品、すなわち、あまりよくない作品で知るようになっている。新3部作の第1部のつもりがコケたせいで次回作の計画が頓挫した『新起動/ジェニシス』を見せられた後に、また新たなターミネーターが来ると聞いて、興奮しろというほうが無理な話だ。

 実際、『新起動/ジェニシス』を最悪の事態から救ってくれた中国の観客さえ、『ニュー・フェイト』には見向きもしなかった。

●連発される「続編」&「リブート」

 同じように、今月は、『シャイニング』(1980年)の続編『ドクター・スリープ』と、16年ぶりにリブートされた『チャーリーズ・エンジェル』が興行成績において撃沈している。

『ドクター・スリープ』が今作られたのは、スティーブン・キングが同名の原作小説を出版したのが2013年だという事情がある。しかし、『チャーリーズ・エンジェル』を、今わざわざ、しかも10代の女の子たちに向けてリブートしたという判断には首をかしげざるをえない。

 そもそも、『チャーリーズ・エンジェル』の元ネタは1970年代のテレビドラマで、思い入れがあるのはその時代を生きた世代だ。2000年と2003年にはキャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア、ルーシー・リュー主演の映画が公開されたが、それも今の10代の子たちにとってはママ世代の映画で、ブランドバリューはまるでない。

 また、女性が主役のアクション映画がとても少なかった当時と違い、最近では『ワンダー・ウーマン』や『キャプテン・マーベル』などが人気を博しているため、もはや新鮮味は薄いだろう。

 それでも女性のエンパワメントは奨励されるべきだし、このリブート版を、女性監督(エリザベス・バンクス)と、異なる人種の女優3人(クリステン・スチュワート、エラ・バリンズカ、ナオミ・スコット)で作った姿勢は大いに評価したいのだが、ターゲット層がそこまで踏まえて、映画を選ぶとも思えない。

『チャーリーズ・エンジェル』に関しては、持ち出す必要のない昔のヒット作を、欲しいと言ってもいない人たちのために持ち出してきた結果の失敗といえる。


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