日清「大坂なおみ動画」炎上→削除問題の本質 (1/4) 〈東洋経済〉|AERA dot. (アエラドット)

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日清「大坂なおみ動画」炎上→削除問題の本質

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バイエ・マクニール東洋経済
「HUNGRY TO WIN」と銘打って作られた大坂なおみ選手のアニメ動画は、すでに日清食品公式チャンネルから削除されている(日清のYouTube公式チャンネルより)

「HUNGRY TO WIN」と銘打って作られた大坂なおみ選手のアニメ動画は、すでに日清食品公式チャンネルから削除されている(日清のYouTube公式チャンネルより)

グローバル企業として欠けていた視点とは

 日清食品ホールディングスが、カップヌードルの広告の一環として同社所属の大坂なおみ選手などを起用したアニメーション動画を1月23日削除したことが明らかになった。アニメは、リアルテニスの王子様こと錦織圭選手と、テニス界のスーパースター、大坂が登場するが、大坂選手の肌の色をめぐって議論が噴出していた。

 筆者を含む多くのなおみファンにとっては、今回の事態は本当に残念なことだ。なぜなら褐色の肌をした女性が日本の大手広告キャンペーンに登場することは少なく、どんなアニメになるか期待が高かったからだ。しかしYouTubeでそのコマーシャルを再生し、その中に褐色の肌をした女性が映っていなかったのを見て、私は本当に落胆した。

●ツイッターやフェイスブックで話題に

 最初は自分が思い違いをしたのだろうと思った。だが大坂の名前が「ホワイトウォッシングされた」彼女の横に表示されていた。このキャラクターはベッキーのようなテレビタレントや、AKB48のメンバーがモデルだったとしても違和感がないほど個性がなかった。

「私たちは激怒しています」と、愛知県立大学准教授のアブリル・ヘイ松井氏は言う。彼女はバイレイシャル(日本で言うところの「ハーフ」)2児の母でもある。なおみは、私の子どもたちにとってロールモデルですが、彼女の黒人のアイデンティティが否定されています。とても間違っています。あのアニメを子どもたちに見せたら、最初の質問が『なぜ彼女はこんなに白いの?』でした」。

 大坂と典型的な日本のアニメキャラクターを「区別」するものはすべて消されていた。で、何が残ったのか? 典型的な日本のアニメキャラクターである。この背景にあるものについて、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムでは外国人が多くの議論を展開した。

 憶測の中には陰謀説(「彼女を完璧な訛りの白人にするか、変な訛りの黒人にするか。双方にメリットのないシナリオだ」)から、笑えるもの(「茶色のクレヨンを切らしたのかも」)や、困惑したもの(「日清は顧客が焼そばU.F.O.をすすりながら、人種や民族性の問題を不快にも考えさせてしまうかもしれないと懸念したのか?」)まであった。 

 そのすべてが日清の広告に反対だったわけでもない。多くの外国人は日本に対して好意を抱いているし、広告を擁護する人の中には「作者はなおみが黒人ハーフということを決定的な特徴だと考えなかったのかもしれない」として、それこそが「人類が目指すべき考え方」という声があった。そのほかにも、「広告制作チームはなおみの肌を黒くしすぎることによって『ブラックフェイス』の批判を受けることに慎重だった可能性があり、より安全で明るい方向性をとったのでは」という声もあった。


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