吉野家、ぬぐい切れぬ「9年ぶり赤字転落」懸念 (1/2) 〈東洋経済〉|AERA dot. (アエラドット)

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吉野家、ぬぐい切れぬ「9年ぶり赤字転落」懸念

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佐々木 亮祐東洋経済

既存店の客数が減少し、通期決算で赤字転落への懸念が浮上している吉野家(記者撮影)

既存店の客数が減少し、通期決算で赤字転落への懸念が浮上している吉野家(記者撮影)

【図表1】

【図表1】

はなまるうどんやガストと3業態合同の割引券を企画したが、コスト増になった(撮影:尾形文繁)

はなまるうどんやガストと3業態合同の割引券を企画したが、コスト増になった(撮影:尾形文繁)

【図表2】

【図表2】

値上げにもかかわらず、「牛すき鍋膳」の売上げは底堅い(撮影:今井康一)

値上げにもかかわらず、「牛すき鍋膳」の売上げは底堅い(撮影:今井康一)

人件費増、既存店不振のダブルパンチが直撃

 創業120周年の牛丼チェーン吉野家を傘下に持つ吉野家ホールディングスが業績不振に苦しんでいる。同社は1月10日、2018年度の第3四半期(2018年3~11月期)決算を発表した。売上高が1500億円(前年同期比2.4%増)と増収ながら、本業の儲けを示す営業損益は5.6億円の赤字(前期は25.9億円の黒字)に転落した。

 同社にとって第3四半期を終えて営業赤字となるのは、4.7億円の営業赤字だった2009年度以来で、実に9期ぶりだ。2009年度は通期でも8.9億円の営業赤字となっている。

●通期で営業赤字に転落する懸念

 今年度が始まる当初、同社は41億円の営業黒字を見込んでいた。牛肉やコメなどの食材価格の上昇をある程度織り込み、数を多く売ることで利益を確保する算段だった。ところが、期初からアルバイトの採用に苦戦し、人件費や採用費が逼迫。物流費の高騰も想定を超えた。
(【図表1】参照)

 そこで、上半期(2018年3~8月期)を終えた2018年9月に業績見通しを下方修正。今年度通期での営業利益の見通しを11億円へ大幅に減額した。

 この下方修正した通期見通しにも、書き入れ時である第4四半期(2018年12月~2019年2月期)を考慮しても、届かない可能性が非常に高くなった。「通期では営業黒字に持っていく」と会社側は説明するが、通期ベースで営業赤字となる懸念もぬぐい切れない。

 その理由としては、まずコストの上昇懸念がある。修正計画では売上高に占める販管費の割合を63.3%としていたが、第3四半期を終えて64.6%となり、1ポイント以上計画を超過した。

 吉野家、「はなまるうどん」「ガスト(すかいらーくレストランツ)」の3業態合同の割引券の企画や「牛すき鍋膳」の投入によってオペレーションの負担が増加し、人件費が修正計画から一段と上昇した。昨秋の原油価格上昇を受け、光熱費も想定を上回った。こういった傾向が、第4四半期に急激に好転するとは考えにくい。

 もう1つが、既存店の客数が減少に転じていることだ。吉野家では2018年9月まで11カ月連続で、前年比で客数の増加が続いていた。しかし、10~12月は3カ月連続で前年割れとなった。
(【図表2】参照)

 競合他社が10月から鍋商品を仕掛けてくる中、吉野家も人気の「牛すき鍋膳」を投入したが、その発売が11月と他社よりも3週間以上遅かったことが響いた。昨年販売していた単価の高い定食や「スタミナ丼」を販売しなかったこともマイナス材料となった。


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