「同期が多すぎる」問題に20代が直面する日 (2/3) 〈東洋経済〉|AERA dot. (アエラドット)

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「同期が多すぎる」問題に20代が直面する日

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高城 幸司東洋経済#働き方#就活

大量採用世代が遭遇する課題とは…(※写真はイメージ)

大量採用世代が遭遇する課題とは…(※写真はイメージ)

 取材した食品メーカーに勤務している50代のSさんは、同期入社がその会社の歴史上、過去最大規模だったとのこと。通常は30人程度の新規採用なのですが、その年の採用は100人を超えたため、社内の会議室で収まっていた導入研修が外部会場に変更。その手配でトラブルが起きて人事部がバタバタしていたことを今でも覚えているといいます。

 ただ実際に自分がその影響を直接的に受けたのは、それから数年後のことでした。通常であれば同期全員が昇格できるはずの主任に、なれない人が何人も出たのです。さらに管理職になる時期が遅れ、管理職になれないまま子会社に出向となった同期が30代で出たといいます。その会社では、子会社への出向は40代までないのが社内での暗黙のルールだったのですが、

「そうしないと、いつまで経ってもこの世代で管理職への昇進率が低いままになる」

 と変更されたのです。こうした一連の施策への失望は極めて大きかったといいます。

●管理職のポストが足りない

 筆者も会社員時代に、こうした閉塞感を体験したことがあります。かつて勤務していたリクルート社では自分の世代(50代前半)がいちばんのボリュームソーンでした。当時設立からまだ浅い会社だったこともあるのですが、同世代の社員が全社員の半数を超えるという、極端な状況。職場には社会人1~3年目の社員があふれていました。

 ところが、その後に会社のおかれた環境が変わり、新規採用に急ブレーキがかかることに。その期間が長く続き、筆者が30代になったときには、自分の世代の人数の多さがひときわ目立つ状態でした。

 もともとは管理職への登用が早いことで有名な会社であったのですが、こうなってしまうと、登用したくても管理職のポストが足りないのです。先輩たちが管理職に登用された年次になっても、登用はゼロのまま。ついには管理職への登用を増やすために管理職予備軍に対する新たな肩書を付与してお茶を濁すような施策が行われました。

 この施策により、同世代から管理職のような立場になる人は出ましたが、あくまで「管理職のようなもの」でしかなく、「出世できない」という閉塞感が解消されるまでには至りません。この会社に長くいても将来の自分の立場は厳しいかもしれない……と考えて退職する同世代が増えたのもこの時期でした。

 同世代が多いリクルート社に閉塞感を感じた人が、それを感じない会社はどこか?それが組織内に同世代の人が少ない、ベンチャー企業への転職や、自身での起業であったと筆者は認識しています。こうして、リクルートは人材輩出企業となり、元リクルート社員がいたるところで活動しているわけですが、それぞれが活路を求めて動き、新たな活躍の機会が生まれたことは、望ましいことであったと思います。

 ただ、閉塞感があるからといって、会社を辞めて転職したり起業したりする……というのはそう簡単なことではありません。その会社や仕事に愛着があり、辞めたくない人も当然多くいるでしょう。では、いったいどうしたらいいのでしょうか?


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