担任や部活動の顧問も 搾取される非正規教員 (1/2) 〈東洋経済〉|AERA dot. (アエラドット)

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担任や部活動の顧問も 搾取される非正規教員

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中島 順一郎:東洋経済 記者東洋経済

【図1】

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【図2】

【図2】

イラスト/岡田航也

イラスト/岡田航也

「同一労働なのに同一賃金ではない」「30代で賃金の上昇が頭打ちになる」「正規の先生の理解がない」……。8月下旬、日本教職員組合(日教組)が開催した集会では非正規雇用の教員から悲痛な声が次々に上がった。

「学校がブラック」といわれるのは、長時間労働だけが理由ではない。毎年じわじわと増加しているのが非正規教員だ。公立小・中学校に勤める非正規教員は2013年度で約11.5万人、教員全体の16.5%を占める。6人に1人が非正規なのである。

「非正規でも公務員だから待遇はいい」と思われがちだが、実態は悲惨だ。昨年9月に開かれた総務省の「地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会」では、次の事例が報告されている。

 K県K市の公立小学校に勤務する41歳の教員は、臨時採用されて7年目。すべての期間で学級担任だった。勤務時間や勤務日数は正規の教員と同じ。任期は4月1日から翌年3月29日までだった。

 驚くのは収入だ。15年度の年間所得は約246万円。その教員は一人親で子どもが2人いる。K市の就学援助制度の認定基準は親子3人世帯で約262万円。正規教員と同じ業務をしているのに、就学援助を受けるほど低水準なのだ。

 この事例には非正規教員の抱える問題が凝縮されている。一つは給与に上限が設定されていることだ。K市の同年齢の正規教員は給料月額が標準で約36万円、年齢を重ねるごとに上昇する。一方、この教員は同じ仕事内容なのに約22万円と4割も低く、上昇しない。

 K市に限らず、非正規教員の給料については多くの自治体が上限を設定している。非正規教員の実態を知る日教組の薄田綾子・中央執行委員によると「新卒から非正規教員を続けると、約10年で昇給が止まる」という。背景には「臨時」である非正規が長く働くと想定していなかったことがあるようだ。

 なお非正規教員には「臨時的任用教員(臨任)」と「非常勤講師」がある。前出のK市の教員は臨任に当たり、正規と同じ業務を行い、担任や部活動の顧問にもなる。基本的に授業のみを担当する非常勤講師は時給制で、夏休みなど授業がなければ給料は出ない。


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