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日本列島は、12日水曜~13日木曜は、九州~北海道まで広い範囲で黄砂が飛来し、31都道府県で観測。きょう14日金曜は、エリアは狭く、濃度も薄くなっていますが、東京や名古屋で観測されています。このあと、黄砂はいったん列島から抜けますが、16日日曜から早くも次の黄砂が西から飛来する予想です。影響エリアと注意点は?

31都道府県で「黄砂」観測

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日本列島は、12日水曜~13日木曜は九州~北海道まで広い範囲で黄砂が飛来し、31都道府県で黄砂を観測しました。東京で黄砂が観測されるのは、2021年の5月8日以来、2年ぶり、4月の観測は2007年以来、16年ぶりのことです。各地で、空が黄色っぽく見通しが悪くなったり、車や洗濯物が汚れたり、アレルギー症状が悪化するなど影響がでました。

きょう14日金曜は、黄砂のエリアは狭くなり、濃度も低くなっていますが、14日未明に東京や名古屋で黄砂が観測。東京では2日連続、名古屋では3日連続で観測されました。いずれも視程(水平方向の見通しの効く距離)は10キロメートル以上で、黄砂濃度はだいぶ薄くなっています。

午後は更に、黄砂エリアは狭くなり、夜にはいったん各地で落ち着く予想です。ただ、アレルギー症状が出やすい方や呼吸器に疾患のある方は、念のため外出時はマスクやメガネなど対策をとると安心です。

16日日曜から再び「黄砂」飛来

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ホッと出来るのも束の間です。14日金曜現在、大陸方面には再び大量の黄砂が巻き上げられていて、あさって16日日曜には再び日本へ飛来する予想です。

16日日曜は、12日水曜~13日木曜より上空の風(偏西風)が南に蛇行するため、西日本・東日本を中心に飛来し、沖縄でも影響が出る見込みです。那覇で観測されれば、2022年3月6日以来ということになります。

今春は、中国大陸では降水量が少なく空気が乾燥。低気圧が発達すると砂が舞い上がりやすい状況が続いているため今後も注意が必要です。

春の使者「黄砂」 4月が一番多い

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「黄砂」は、砂漠などの乾燥・半乾燥地域で、風によって上空数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って飛来し、大気中に浮遊・降下する現象です。
黄砂は従来、自然現象であると理解されてきましたが、近年ではその頻度と被害が大きくなっており、急速に広がりつつある過放牧や農地転換による土地の劣化等との関連性も指摘されています。
日本では、主に3~5月の春先にかけて飛来することが多く、6月以降は少なくなる傾向にあります。

※「気象庁|黄砂観測日数の経年変化」より

粒子の大きさ

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黄砂粒子の大きさは、約4μmほどのものが大部分を占めています。花粉の粒子が直径約30μm、PM2.5は直径約2.5μm以下です。
例えば、髪の毛が直径70μm程度なので、肉眼で粒子自体を観察するのはなかなか難しいと言えるでしょう。また、黄砂粒子の中には直径2.5μm以下のものも一部含まれており、黄砂の飛来に伴ってPM2.5の濃度も上昇することがあるようです。

※「環境省PM2.5に関するよくある質問」より

黄砂による健康被害を予防するポイント

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黄砂の健康への影響を予防するには以下の3つのポイントがあります。

① 日頃から最新の情報をチェックし、黄砂の飛来予測を把握しましょう。
② 黄砂が飛来している時は、不要不急の外出を控えることで黄砂を吸い込んでしまう量を減らすことが期待できます。特に、高濃度の黄砂が飛来しているときには、屋外での長時間の激しい運動は避けるとよいでしょう。 呼吸器や循環器に疾患のある方、小児、高齢者の方などは、体調に応じて、より慎重に行動することが大切です。洗濯物や布団は、できるだけ室内に干しましょう。
③ 黄砂が飛来している時は、マスク(不織布マスク等)を着用することで、ある程度の予防効果が期待できます。マスクを着用する場合には顔の大きさに合ったものを選び、空気が漏れないようにしましょう。