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フィリピンの東に熱帯低気圧があり、その南、赤道を挟んでオーストラリアの北西にも熱帯擾乱が発生しています。双子低気圧と呼ばれる現象で、今後のエルニーニョ現象の発生に関係している可能性もあります。

南の海上に熱帯擾乱 赤道を挟んでもう一つ

きょう10日、雲の様子をみると、フィリピンの東に熱帯低気圧のまとまった雲があります。その南、赤道を挟んでオーストラリアの北西にも熱帯擾乱の雲の塊があります。このような赤道を挟んで南北に対になった熱帯擾乱は、双子低気圧と呼ばれています。
カロリン諸島近海を含む赤道域の太平洋西部は、対流活動が活発な周期にあたっており、この海域にも発達した雲がみられます。この海域の対流活動が、双子低気圧を発生させた一因になっていると考えられます。

今年は、まだ台風の発生はありませんが、南の海上に注意が必要な時期になっています。今後、最新の気象情報をご確認ください。

双子低気圧とエルニーニョ現象の密接な関係

赤道を挟んで対になっている2つの熱帯擾乱の間には、強い西風が吹いています。
赤道域において、大規模で強い西風が数日から数週間続く現象を西風バーストといい、エルニーニョ現象の発生に大きな影響を与える可能性があると指摘されています。

きょう10日に、気象庁が発表したエルニーニョ監視速報では、今後、夏にかけて平常の状態が続く可能性もありますが(40 %)、エルニーニョ現象が発生する可能性の方がより高い(60 %)と予測しています。
一般に、エルニーニョ現象の発生の予測精度は、季節性があることが知られており、春に夏の予測をするのは、難しいといわれています。それでも、今のところの予想では、オーストラリア気象局、ヨーロッパ中期予報センター、アメリカ海洋大気庁など、エルニーニョ現象が発生する傾向を予測しています。

エルニーニョ現象の発生時 日本の夏の天候の傾向は?

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エルニーニョ現象が発生すると、太平洋熱帯域の西で海面水温が平年より低くなり、インドネシア付近で対流活動が不活発になります。このため、北半球の夏季は日本付近への太平洋高気圧の張り出しが弱くなり、日本では気温が低く、日照時間が少なくなる傾向があります。
夏にかけての長期予報は、今後、最新の情報をご確認ください。