メイン画像
メイン画像

4月の星空や天文情報です。6日は満月に。12日頃は今年一番、水星が観察しやすくなるでしょう。20日は日本の一部で「部分日食」が起こります。下旬には月と金星や火星が接近したり、「4月こと座流星群」が極大となったりするでしょう。

「北斗七星」や「春の大曲線」に注目

画像A
画像A

春は空が霞んで暗い星が見えにくくなりますが、そのなかで目を引くのが「北斗七星」です。「北斗七星」は「おおぐま座」の一部を構成しており、のしっぽにあたる部分にあります。「おおぐま座」は全天で3番目に大きく、北の空高くに位置する春を代表する星座です。

「北斗七星」を見つけたら「春の大曲線」も探してみましょう。「北斗七星」のひしゃくの柄のカーブをそのまま伸ばしていくと、東の空でややオレンジがかった明るい星「うしかい座」のアルクトゥールスにぶつかります。さらに、カーブを伸ばしていくと、南東の空で、白っぽい星である「おとめ座」のスピカにぶつかります。さらに、伸ばすと、4つの星が台形に並んでいる「からす座」が見つかります。この「北斗七星」から「からす座」までのカーブが「春の大曲線」です。「春の大曲線」は22時くらいになると、真上にくるので見やすくなります。

6日は満月 4月の満月はピンクムーン

画像B
画像B

6日13時35分頃に満月を迎えます。5日と6日の夜はほぼ真ん丸の月を見られるでしょう。

満月には英語圏で様々な呼び名があります。2月は「スノームーン」、6月は「ストロベリームーン」などと月ごとに呼び方が変わります。4月の満月は、春の鮮やかなピンク色の花が咲く頃などから「ピンクムーン」と呼ばれます。このような呼び名を思い出しながら、月を眺めてみるのも良さそうです。

なお、6日の東京の月の出は18時13分です。

12日は水星が「東方最大離角」

画像C
画像C

12日には水星が太陽から東側に最も離れる「東方最大離角」となり、水星を観察できる、今年一番のチャンスです。

水星は太陽に最も近い惑星であるため、地球から見た位置が太陽からあまり離れず、見えづらい天体です。しかし、「東方最大離角」となる12日の前後数日間は、日の入り後の西の低空で見つけやすくなります。

国立天文台によりますと、東京における日の入り30分後の水星の高度は、12日は最も高く12度台で、10度を超える期間は5日から18日です。他の地域でも大きな違いはありません。今回は、水星よりも少し高いところに金星が明るく輝いていますので金星を目印に水星を探すとよいでしょう。

水星は低い空に見えますので、西から西北西にかけて開けている場所で観察してください。双眼鏡を使うとより探しやすくなります。

20日は日本の一部で「部分日食」

画像D
画像D

20日の午後、日本の一部地域で「部分日食」が起こります。

部分日食とは、月が太陽の前を横切るため、月によって太陽の一部が隠される現象です。今回、日本で部分日食が起こるのは、南西諸島、九州地方南部、四国地方南部、近畿地方南部から関東地方南部にかけての地域、伊豆諸島、小笠原諸島です。

上の図は部分日食の見え方と食の起こる時間です。欠け具合が比較的大きい小笠原では13時45分頃から食が始まり、14時41分頃に食の最大となり、15時33分頃に終わります。鹿児島や四万十、新宮、館山などでは欠け具合は小さいですが、貴重な現象なので、是非、観察してみてください。ただし、肉眼で直接太陽を見るのは危険です。日食グラスなどを使って、安全な方法で観察してください。

23日は月と金星が接近 26日は月と火星が接近

画像E
画像E

23日には、細い月が金星に近づいて見えます。月も金星もとても明るい天体ですので、目を引く光景となるでしょう。

続いて、26日には、月が火星に近づきます。火星は金星と比較すると100倍以上暗いのですが、赤っぽく輝くため、明るい月のそばでもすぐに探せそうです。

23日は「4月こと座流星群」がピーク

画像F
画像F

23日は「4月こと座流星群」の活動が極大となります。極大となる時刻は10時頃と予測されていますので、22日深夜から23日未明にかけて見ごろとなります。

月明かりの影響はありませんが、もともと流星数が少なめなので、空の条件が良いところでも流星数は1時間あたり5個程度となりそうです。数は少ないながらも明るい流星の割合が高いので、ゆっくりと空を見上げてみるのも良いでしょう。