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きょう2月14日はバレンタインデー。ということでチョコレートの原料カカオ豆の産地でもある熱帯の状況と日本の天候の関係について、昨年2022年の振り返りと今後の見通しをみてみました。

チョコレートの原料カカオ豆の産地は熱帯の国

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チョコレートの原料であるカカオ豆の生産量が多い国は、コートジボワール、ガーナ、インドネシア、ペルーなど熱帯の国です。

上の図は平年の年間の降水量で、インドネシアなどでは、2000ミリ以上の所が多くなっています。

参照:外務省ホームページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/cacao.html

ラニーニャ現象が持続 昨年はインドネシア付近で降水量が平年より多く

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2020年夏から2021年春、及び2021年秋以降、ラニーニャ現象が持続しています。
ラニーニャ現象は、南米ペルー沖で海面水温が低く、太平洋赤道域の西にあたるインドネシア付近で海面水温が高い現象です。

上の図は、昨年2022年の年間の降水量の平年比です。
太平洋熱帯域の西にあたるインドネシア付近では、平年より多いことを示す緑となっている一方、太平洋熱帯域の東にあたるペルー付近では平年より少ないことを示す白となっています。
このことから、インドネシア付近では、平年に比べると対流活動が活発であったことがわかります。これは、ラニーニャ現象が発生している時の大きな特徴でもあります。

昨年2022年 日本では夏に記録的な高温

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フィリピン付近の対流活動が平年より活発になると、北半球の夏季に東南アジアからフィリピン付近にみられるモンスーントラフが強まるとともに、日本付近に太平洋高気圧の張り出しが強まることが知られています。

昨年2022年は、日本では特に6月下旬から7月初め、記録的な高温になりました。群馬県伊勢崎市では最高気温40℃以上を3日観測し、東京都心で35℃以上の猛暑日を9日連続して観測しました。

ラニーニャ現象は終息へ 夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性

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気象庁が今月2月10日に発表したエルニーニョ監視速報によると、今後、ラニーニャ現象は冬の終わりまでに終息し、平常の状態になる可能性が高いとのことです。その後、夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度であると予測しています。
エルニーニョ・ラニーニャ現象の基準は、国によって微妙な違いがありますが、オーストラリア気象局、ヨーロッパ中期予報センター、アメリカ海洋大気庁など、各国一致して同じ傾向を予測しており、8月にはエルニーニョ現象の発生を予測している国もあります。

エルニーニョ現象が発生すると、太平洋熱帯域の西で海面水温が平年より低くなり、インドネシア付近で対流活動が不活発になります。このため、北半球の夏季は日本付近への太平洋高気圧の張り出しが弱くなり、日本では気温が低く、日照時間が少なくなる傾向があります。

日本では、今年の夏(6月~8月)、今のところの予想では、顕著な低温傾向は見られませんが、関東など東日本の太平洋側や東北付近では、例年に比べて気圧の谷の影響を受けやすい可能性があります。関東甲信など梅雨の期間が長引いたりすることがあるかもしれません。今後、最新の長期予報をご確認ください。