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気象庁はきょう10日、「エルニーニョ監視速報」を発表。2021年秋から続いているラニーニャ現象は冬の終わりまでに終息して平常の状態になる可能性が高くなっています。その後、夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性は同程度です。

1月の実況

気象庁はきょう10日、「エルニーニョ監視速報」を発表しました。

1月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は-0.4℃で、基準値に近い値でした。ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の11月の値は-0.8℃で、15か月連続して-0.5℃以下となりました(ラニーニャ現象の基準は6か月以上)。
太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、中部から東部で平年より低くなりました。海洋表層の水温は西部から中部で平年より高くなりました。
太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年より強くなりました。

このような海洋と大気の状態は全体的にはラニーニャ現象の特徴が続いていますが、太平洋赤道域中部では海面水温が平常に近い状態となってきていることから、2021年秋から続いていたラニーニャ現象は終息しつつあることを示しています。

今後の見通し

実況で太平洋赤道域の西部から中部にみられる海洋表層の暖水は東進し、東部の海面水温を上昇させるとみられます。
大気海洋結合モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が、冬の終わりには基準値に近い値になり、春から夏は基準値より高い値か基準値に近い値で推移すると予測しています。

以上のことから、今後、ラニーニャ現象は冬の終わりまでに終息して平常の状態になる可能性が高く(90%)、その後、夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度です(50%)。