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ラニーニャ現象が発生しているこの冬、度々寒波襲来となり、1月下旬には記録的な寒気が流れ込みました。今後は、関東の平野にも大雪をもたらすことがある南岸低気圧の動向に注意が必要です。

ラニーニャ現象が発生している冬 偏西風の蛇行で寒気が流れ込みやすい

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ラニーニャ現象が発生しているこの冬、12月下旬と、1月下旬は寒波襲来となりました。

ラニーニャ現象は、南米ペルー沖で海面水温が低く、太平洋赤道域の西にあたるフィリピン付近で海面水温が高い現象です。

ラニーニャ現象が発生している冬は、フィリピン付近で対流活動が活発になる影響で、上空を流れる偏西風が蛇行しやすく、偏西風は日本付近で南下し、寒気が流れ込みやすくなることがあります。

この冬 12月下旬の寒波 ふだん雪の積もらない地域で記録的な大雪に

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12月中旬は、フィリピンの東で台風25号が発生しましたが、フィリピン付近は対流活動が活発になっていました。この影響で、偏西風は、蛇行し日本付近で南下、12月下旬には西回りで強い寒気が流れ込みました。
雪雲が、日本海や東シナ海から次々に流れ込んだばかりか、雪雲は、関門海峡から周防灘にも流れ込み、四国の太平洋側にもかかるなど、ふだん雪の積もらない地域でも大雪になりました。高知市では、12月23日に最深積雪14センチを観測、統計開始の1912年以降、1位の値を更新しました。

この冬 1月下旬の寒波 関東の上空には観測史上最も強い寒気

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1月下旬も、フィリピン付近で対流活動が活発になり、偏西風は日本付近で再び南下、強い寒気が流れ込みました。
1月24日に、東京で初雪を観測、そればかりか、伊豆諸島の八丈島でも夜遅くには雨は雪に変わりました。
翌日の25日、関東の館野上空1500メートル付近の気温は、マイナス15.0℃を観測、統計開始の1957年以来、最も強い寒気が流れ込みました。

この寒波で低温が続き、水道管破裂や漏水が相次ぎました。

今後は南岸低気圧の動向に注意

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2月もラニーニャ現象の影響がある見込みですが、偏西風の南への蛇行は一旦解消してきました。
今後、2月の中頃にかけて、日本付近で偏西風の流れが速く、低気圧や前線の影響を受けやすい見込みです。特に、10日から11日は、本州の南を進む低気圧、いわゆる南岸低気圧の影響で、九州から雨が降り出し、雨の範囲は東へ移るでしょう。太平洋側沿岸を中心に、この時期としては降水量が多くなり、関東付近では平野も含めて降水は雪になる可能性もあります。今後、最新の気象情報をご確認ください。