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きょう19日、日本気象協会は「2023年春の花粉飛散予測 第3報」を発表。2023年春の飛散量は、九州~東北で前シーズンより多く、特に四国・近畿・東海・関東甲信で「非常に多い」予想です。2月上旬には九州から関東で飛散開始となるため、花粉症の方は早めの対策が必要です。

2023年シーズンの花粉飛散傾向

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【例年比】
2023年春の花粉飛散予測は、九州では例年並み、四国と中国、近畿、北陸ではやや多くなるでしょう。東海と東北では多く、関東甲信では非常に多く飛ぶ見込みです。北海道は例年よりやや少ないでしょう。

【前シーズン比】
九州から東北にかけて前シーズンより飛散量は多く、特に四国、近畿、東海、関東甲信では非常に多く飛ぶ見込みです。前シーズンは症状が弱かった方も万全な花粉症対策が必要になりそうです。

スギ花粉の飛散開始時期

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スギ花粉の飛散開始※は、九州から東北にかけて例年並みとなるでしょう。2月上旬から九州や四国、中国、関東の一部で花粉シーズンがスタートする見込みです。
2022年12月下旬から年明けにかけて、西日本や東日本は寒気の影響を受け、平年より気温が低くなりました。1月中旬は全国的に暖かさが際立ちましたが、1月下旬は全国的に強い寒気に覆われるでしょう。2月上旬も気温は西・東・北日本とも平年並みか低く、その後も2月下旬にかけて、西日本と東日本では平年並みかやや低く、北日本では平年並みの見込みです。寒暖を繰り返しているものの、飛散開始時期が早まったり、遅れるほどの影響はないでしょう。
まだ飛散開始には至っていなくても、気温が上がると、花粉は飛散する可能性が十分にあるため、今後も寒暖差に注意しながら、花粉症の方は対策を万全にしましょう。

スギ花粉飛散のピークは、福岡で2月下旬から3月上旬、高松や広島、大阪、名古屋では3月上旬から中旬の予想です。金沢、東京、仙台では3月上旬から下旬となるでしょう。今年は大量飛散が見込まれるところが多いため、ピークの時期も長くなる可能性があるでしょう。

※飛散開始日:1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した場合の最初の日

飛散量の予測根拠

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花粉の飛散量は前年夏の気象条件が大きく影響します。気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の飛散量が多くなるといわれています。
2022年の夏(6月~8月)は梅雨前線の活動が弱く、特に6月の降水量は西日本の太平洋側でかなり少なく、日照時間は東日本の日本海側と西日本の太平洋側でかなり多くなりました。また、6月後半から7月上旬にかけて太平洋高気圧が強まり、東・西日本を中心に晴れてかなりの高温となりました。そのため、6月に「高温・多照・少雨」となり、スギの花芽形成に好条件となりました。さらに、2021年~2022年に花粉飛散量が少なかった地域が多く、スギの木に花芽を形成させるエネルギーが蓄えられていたため、より一層、スギの花芽形成が促進されたと考えられます。

【花粉の種類について】
北海道はシラカバ、その他はスギ・ヒノキ花粉の飛散量を表します。

【飛散量に関する言葉の説明】
非常に多い     :前シーズン/例年の200%以上
多い        :前シーズン/例年の150%以上200%未満
やや多い      :前シーズン/例年の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 :前シーズン/例年の90%以上110%未満
やや少ない :前シーズン/例年の70%以上90%未満
少ない :前シーズン/例年の50%以上70%未満
非常に少ない :前シーズン/例年の50%未満
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前シーズン  :2022年シーズン飛散量
例年 :過去10年(2013~2022年)の平均値

【2022年夏の気象に関する言葉の説明】
平年 :1991~2020年の平均値

◆日本気象協会の花粉飛散予測とは
日本気象協会は1990年からスギ花粉の飛散予測を発表しています。日本気象協会の花粉飛散予測は前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などの気象データをもとに、全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽の現地調査の結果などをふまえて予測しています。