メイン画像
メイン画像

今年最初の3連休、初日の7日(土)は、関東に雪をもたらす「南岸低気圧」の動向に注意が必要です。昨年の今頃(2022年1月6日)は、東京都心で10センチの積雪となり、4シーズンぶりに大雪警報が発表されました。関東の雪予想は難しいため、直前まで注意が必要です。

3連休初日 7日は南岸低気圧の動向に注意

画像A
画像A

今年最初の3連休、初日の7日(土)は、関東に雪をもたらす事もある「南岸低気圧」の動向に注意が必要です。

1月7日9時の予想天気図をみると、本州を挟むように2つの低気圧が東進する見込みです。九州~東北南部にかけて広く雨で、東京都心はくもり一時雨か雪の予想となっています。

今のところ、長野県や山梨県、関東の山沿いでは雪の降る所が多いですが、関東の平野部では雨の降る所が多くなる予想です。ただ、低気圧のコースや寒気の強さによっては雪のエリアが広がる可能性もあります。関東の雪予想は難しく、上空の気温が0.5℃下がるだけで、平野部の雨予想が雪にガラッと変わる事があります。

普段、雪に慣れない地域で、雪となる可能性がありますので、最新の気象情報にご注意ください。

関東に雪をもたらす「南岸低気圧」とは?

画像B
画像B

日本の南の海上を進む低気圧は、南側の沿岸部を通る低気圧という意味で「南岸低気圧」と呼ばれます。

南岸低気圧は発達するかどうかだけでなく、陸地との距離によって、関東への天気の影響が変わります。南岸低気圧が陸地から比較的近いコースを進むか、離れたコースを進むか次第で、雪が降るか、雨が降るか、それとも何も降らないか決まるのです。

具体的には、南岸低気圧の進路が北よりだと、関東に降水域と暖かい空気をもたらすので、降るものは雨になりやすいのですが、進路が南にずれて八丈島の少し南を進むと、降水域と共に北から冷たい空気を引き込むので、関東では降るものが雪になりやすく、大雪になることもあります。一方、南岸低気圧が更に南よりを進むと、関東では雲が多いものの、降水域そのものがかからず、何も降らないことが多くなります。
「南岸低気圧」が予想される場合、特に進路に注目ですが、関東で大雪になるかどうかは、低気圧の進む速度、気温の低下、湿った空気の流れ込みなどによっても変わります。関東で大雪になると、交通機関に影響がでるおそれもありますので、最新の気象情報や交通情報を、こまめに確認してください。

昨年の今頃 東京都心で10センチの積雪 4年ぶりの大雪警報

画像C
画像C

昨年2022年1月6日(木)、関東の平野部では予想以上の大雪となりました。

降れば雪となるような寒気が関東を覆う中、本州の南を低気圧が進みました。ただ、この低気圧は本州から離れて進んだため、低気圧による降水域は関東には、ほぼかかりませんでした。

しかし、この低気圧とは別に、地上天気図には表れないシアーライン(風と風がぶつかりあうところ)が関東沖に発生しました。5日の時点では、東京都心には降水域がかからないか、かかっても降り方は強まることはないと予想されていましたが、このシアーラインに伴う雪雲が予想以上に関東の平野部に広くかかり続け、大雪となりました。また、降水があると、その水分が蒸発する際に周りの熱を奪うため、地上付近の気温がより下がりやすくなります。雪が降り続いたことで、地上付近でも気温の低い状態が続き、積雪が増えた原因の一つとなりました。

東京都心では6日14時頃から雪が積もり始め、18時には10センチの積雪となりました。東京都心で積雪が10センチ以上となるのは2018年の1月22日以来でした。東京23区にも4シーズンぶりに大雪警報が発表されました。最深積雪は横浜市で8センチ、千葉市と水戸市で7センチを観測するなど、普段雪の少ない関東の平野部で広く積雪となり、交通機関にも影響がでました。東京で10センチとまとまった雪となったものの、しっかり降った範囲は海に近い場所に限られるなどかなり狭く、谷市や前橋市、宇都宮市などでは「積雪ゼロ」と、かなり珍しい積もり方をするケースとなりました。

昨年2022年1月6日のケースのように、「南岸低気圧」は予報が大変難しく、予報士泣かせと言われます。最新の予報をこまめに確認して下さい。