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31年前のきょう、平成3年9月27日、のちに「りんご台風」とも呼ばれるようになった台風19号が長崎県に上陸しました。秋の台風らしい進路をとった台風です。今年の秋の台風、傾向が例年とは少し違います。

平成3年の台風19号 全国的に猛烈な風 農業に甚大な被害

平成3年9月27日、台風19号が長崎県に上陸しました。その後、日本海を北上し、青森県などのりんごに大きな被害を出したことから、のちに「りんご台風」と呼ばれる台風です。

平成3年9月16日、マーシャル諸島の西海上で、台風19号が発生しました。台風19号は発達しながら北上し、26日に宮古島の東海上で、北東に進路を変え、27日午後4時過ぎに非常に強い勢力で長崎県佐世保市の南に上陸、上陸時の中心気圧は940hPaでした。
その後、加速しながら日本海を北東へ進み、強い勢力で、北海道渡島半島に再上陸し、28日に千島近海で温帯低気圧に変わりました。

全国的に猛烈な風が吹きました。
最大瞬間風速は、那覇市で50.1m/s、長崎市で54.3m/s、広島市で58.9m/s、石川県輪島市で57.3m/s、青森市で53.9m/sなどを観測しました。
猛烈な風で飛散した屋根瓦などに当たってけがをした人が多く、屋根が吹き飛ばされるなど家屋の被害も多く発生しました。また、広域で停電も発生しました。

「りんご台風」とも呼ばれる平成3年の台風19号 まさに秋の台風

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「りんご台風」とも呼ばれる平成3年の台風19号、秋の台風らしい進路をとりました。

上の図は、台風の月別の平均進路です。
台風は、春先は低緯度で発生し、西へ進んでフィリピン方面に向かう傾向があります。
夏になると、発生する緯度が高くなり、太平洋高気圧の周りをまわって、日本に北上してくる台風が多くなります。台風を流す上空の風が弱いため、台風は動きが遅かったり、複雑な進路をとることが多いのが夏の台風の特徴です。
9月以降の秋の台風は、南の海上から放物線を描くように日本付近を通るようになります。日本上空を吹く偏西風に乗るため、台風は速度を上げ、あまり勢力を落とさずに日本列島を駆け抜けていきます。

今年の台風 日本に近い所で発生する傾向

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今年2022年、これまでに発生した台風は、北緯20°より北で発生している台風が多くなっています。台風は、例年ですと、北緯10°から15°くらいで発生することが多いのですが、今年は、日本に近い所で発生していることがわかります。
これは、ラニーニャ現象などの影響で、日本付近に張り出す高気圧の位置が例年より北に偏っているため、台風の発生も例年より北になっているとも考えられます。

今年の台風シーズンは、ラニーニャ現象などの影響で、10月中旬頃まで長引くでしょう。今後も、日本の近くで発生する可能性があります。
秋の台風としては、動きが遅かったり、複雑な動きをしたりして、風や雨の影響が長引くような夏の台風に近い進路をとることもあるかもしれません。

日ごろから天気予報を見る習慣を

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台風は、事前にある程度予測することができます。
日頃から天気予報や防災情報を見る習慣をつけとよいでしょう。防災に対する意識がしっかりしていると、いざという時、冷静な判断ができるようになります。

ハザードマップなどで、どこにどのような危険があるのか把握しておきましょう。