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今週末(17-19日)と来週末(23-25日)は、2週連続の3連休。登山を計画している人も多いでしょう。北日本や東日本の高山ではそろそろ草木が色づき始めており、山歩きには絶好の季節ですが、接近中の台風14号の影響が懸念されます。登山者目線でシルバーウィークの天気を解説します。

北日本・東日本では山岳紅葉が始まっている

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平地では厳しい残暑が続いていますが、高山では確実に季節が進んでいます。

山小屋や観光施設に取材したところ、きょう(16日)時点で北海道大雪山系の旭岳ではナナカマドやチングルマの色づきが進み、山全体が明るい色味にかわってきています。とくにチングルマは例年に比べると1週間ほど早く、すでに見ごろになっているようです。

北アルプス立山では、弥陀ヶ原の紅葉は平年に比べるとやや遅れているものの、タンボ平などでは平年よりやや早く色づき始めています。南アルプスの北岳では、ナナカマドの実が赤く色づき、草の色も明るくなってきたということで、秋めいているようです。今シーズンは気温が高く、平年より遅れているのかと思っていましたが、高山では寒暖差が大きく平年よりやや早く紅葉が進んでいる傾向があるようです。北アルプスや南アルプスでは例年10月はじめには紅葉がだいぶ進んで、稜線近くでは早くもピークを過ぎてしまいますので、9月最終週が見ごろになるのではないでしょうか。

今週末は台風14号に警戒

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一方、懸念されるのが台風14号の影響です。きょう(16日)正午現在、大型で非常に強い台風14号は日本の南を西北西に進んでおり、今後は北寄りに進路を変えて、18日から19日に西日本、19日から20日には東日本と北日本にかなり接近する見通しです。今回の台風は、沖縄から北海道まで日本列島のほぼ全域が影響下に入るコースであることが特徴で、全国的に大荒れの3連休となるでしょう。

地域別に詳しく見ていくと、西日本と東日本の山岳では台風接近前のあす(17日)から太平洋側の地域を中心に湿った空気が吹き付けて雨が降り出すでしょう。日本海側の地域、たとえば北アルプスは風下側に入るため、曇りや晴れで経過する地点があるかもしれませんが、普段より風が強まることに注意してください。北日本では、東北はまだ台風の影響が少ない一方、北海道は別の低気圧と前線の影響を受けて広く雨が降るでしょう。

あさって(18日)から20日にかけては、台風の接近に伴って、とても登山できないような状況になる見通しです。台風の進路や速度によって影響を受ける時間が変化する可能性がありますが、入山してしまうと下山が困難になる場合が考えられます。

台風通過前後には暴風とまとまった雨が予想されることから、倒木や土砂崩れなど登山道への影響が残るおそれがあります。台風が通過した後も、山に向かう前に登山道や林道の状況を確認してください。

次の3連休は秋雨前線と熱帯擾乱の組み合わせも

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台風14号は季節を大きく進めそうです。19日の天気図をみると、北海道付近の台風または温帯低気圧と大陸の高気圧との間で、等圧線が縦にこんでいます。一時的に西高東低の気圧配置が強まり、北日本の上空にはこの時期としてはかなり強い寒気が流れ込むでしょう。大雪山などでは0℃を下回り、初冠雪の可能性があります。また、北日本と東日本の山岳紅葉がこれをきっかけとして一気に進むかもしれません。(予想天気図は台風の今後の進路によって変わってしまうので、常に最新の情報を確認してください。)

となると来週の3連休こそ期待感が高まりますが、来週も天気の不安要素が多く予想されています。23日の天気図を見ると、本州付近には前線が停滞しています。大陸から秋の高気圧が張り出そうとしている一方で、夏の高気圧が一時的に盛り返す予想で、秋雨前線が形成される見通しです。また、日本の南では熱帯低気圧ができやすくなっており、熱帯低気圧と秋雨前線の組み合わせで広い範囲で雨が降る可能性があります。ただし、まだ1週間も先のことですから気圧配置が大きく変わることも考えられます。登山を計画される際は、常に最新の気象情報を確認してください。