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台風11号で警戒が必要なのは、暴風・大雨・高波・高潮だけではありません。6日火曜11時までの最高気温は、日本海側では、すでに9月1位の所もあり、富山市や金沢市でも35℃以上を観測しました。午後も、関東から西では、熱中症は危険レベルですので、万全な対策を、心がけてください。

午前中から すでに猛暑日の所も

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台風11号は、6日火曜11時現在、松江市の北西約250キロを、1時間におよそ55キロの速さで、北東へ進んでいるとみられます。

この日本海を進む台風に向かって、本州付近には、強い南風が吹き込んでいます。その南風が、フェーン現象により、日本海側に高温をもたらしています。5日月曜も、西日本や日本海側を中心に、残暑が厳しくなりましたが、それを上回るペースで、気温がグングン上がっています。

11時までの最高気温が、全国のアメダスで最も高いのは、富山県上市町の東種で、36.7℃まで上がりました。また、石川県羽咋市は36.5℃と、体温並みの暑さになっています。富山県上市町の東種では、9月としては1位の記録です。石川県羽咋市では、9月としては2位(タイ)の暑さとなっています。

富山市では35.7℃と、2日連続の猛暑日になり、今年21回目の猛暑日(最高気温35℃以上)になりました。ちなみに、富山市では、2018年に猛暑日が22日ありましたが、それに次ぐ多さとなっています。

金沢市は35.1℃と、6日ぶりの猛暑日になりました。

また、西日本でも暑く、大阪市・京都市・奈良市などでは、34℃台まで気温が上がっています。

東京都心は、5日月曜より早い時間から30℃を超えて、6日火曜11時までの最高気温は31.5℃でした。

フェーン現象とは?

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この暑さの原因は、フェーン現象です。「フェーン現象」とは、水蒸気を含んだ空気が山をこえる時に雨を降らせ、その後、乾燥した空気となって山を吹きおりると、気温が高くなる現象です。

① 例えば、図の右から左へ風が吹く場合、風上の平地の気温が30℃だとすると、この風が高さ2000メートルの山をのぼる時、100メートル上昇する毎に0.65℃気温が下がるので、山頂付近の気温は風上の平地より低い17℃になります。

② 山頂付近に向かうにつれて、風上の平地より気温がどんどん下がることにより、もともと空気中に含んでいた水蒸気のうち、ある程度の水蒸気が冷やされて、小さな水の粒になります。この水の粒は、空気中をただよう雲や霧に変わり、雨粒となって落ちてしまうので、空気中の水分が減って、乾燥した風になります。

③ 乾燥した風が山をおりる時には、100メートル下降する毎に1℃気温が上がるので、風下の平地の気温は、風上の平地より高い37℃になるのです。

湿度が変わると、気温の変化する割合も変わることが、フェーン現象の発生原因です。

午後は 熱中症は「危険」レベル

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そして、6日火曜午後も、西日本や日本海側を中心に、危険な暑さとなるでしょう。

予想最高気温は、金沢市や富山市では37℃と、体温並みの暑さになりそうです。新潟市や大阪市は36℃と、新潟市では今年初めて猛暑日(最高気温35℃以上)になりそうです。東京都心でも33℃まで上がるでしょう。

石川県輪島市では、上空およそ1500メートルの気温が、9時の観測で23.2℃でした。この空気は、もし、地上付近にそのまま降りてくれば、38℃くらいまで気温が上がるポテンシャルをもっているほど、熱い空気なのです。

熱中症情報を見ますと、新潟市・金沢市は一番上のレベルの「危険」です。また、太平洋側も蒸し暑く、東京都心・名古屋市・大阪市・高知市も「危険」となっています。

9月とはいえ、台風の間接的な影響で、熱中症の危険度が高まっていますので、十分お気をつけください。