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台風11号は、今夜(5日)~あす(6日)朝に九州北部に最も接近。その後は、日本海で急加速。7日には時速70キロで北海道の北へ。今後、警戒すべき点は3つ。①日本海側は台風の危険半円、②広範囲で強風と猛暑、③温帯低気圧に変わっても油断禁物。どこでどんな影響に警戒すべきかまとめました。

日本海で急加速 時速70キロ

台風11号は、5日正午現在、「大型」で「強い」勢力で、東シナ海を1時間に20キロの速さで北北東へ進んでいます。

今後は進路を更に東よりに変え、5日夜~6日朝にかけて対馬海峡付近を通過。その後は、上空の強い風(ジェット気流)に乗り急加速。7日には、時速70キロと高速道路並みの速度で北海道の北に進み、温帯低気圧に変わる見込みです。

台風が日本海で急加速する場合、警戒する点が3つあります。

警戒① 日本海側は台風の危険半円

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台風が最も接近する九州北部では、大雨や暴風、高波・高潮に厳重な警戒が必要。今夜(5日)から、九州北部では風速25メートル以上の暴風域に入り、あす(6日)午前にかけて、長崎県の五島列島や壱岐・対馬では最大瞬間風速60メートルと、走行中のトラックが横転するほどの猛烈な暴風のおそれがあります。また、5日夜~6日午前にかけて、線状降水帯が発生し大雨災害の危険度が急激に高まるため、不要不急の外出は控えましょう。

山陰や北陸など、日本海側の地方も暴風に警戒が必要です。日本海側の地方は台風の進行方向の右側(危険半円)にあたり、台風自身の風と台風を移動させる周りの風が同じ方向に吹くため、左側よりも風が強くなります。6日は暴風のおそれがあるため、きょう(5日)中に、植木鉢や自転車など屋外の飛ばされやすい物をしまうなど対策をとりましょう。

警戒② ゲリラ雷雨・竜巻・猛暑に警戒

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台風が日本海へ進むため、西日本や東日本の太平洋側でも南風が強まります。山越えのフェーン現象の影響で、北陸などで最高気温35℃以上の予想。新潟市でも、今年はじめての猛暑日になりそうです。6日の最高気温は、金沢市や富山市、輪島市で37℃と、体温超えの予想です。

大気の状態が不安定なため、台風から離れた所でもゲリラ雷雨や竜巻などの突風に警戒が必要です。特に、四国や紀伊半島の南東斜面で雨量が多くなりそうです。9月1カ月分の雨量が、たった1日~2日でザッと降るおそれがあるため警戒が必要です。

警戒③ 温帯低気圧に変わっても油断禁物

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台風11号は、7日には北海道の北で温帯低気圧に変わる予定ですが、油断禁物。7日午前9時の中心気圧は980hpa、最大瞬間風速は35メートルの予想となっており、予報円の東側を進むほど北日本は暴風のおそれがあります。

過去には、温帯低気圧に変わりながら再び発達する低気圧もあります。2004年の台風18号は、長崎に上陸した後、日本海を北東に進みながら弱まり暴風域が狭くなりましたが、北海道の西の海上で温帯低気圧に性質を変えながら再び発達。最大瞬間風速は札幌で50.2メートル(観測史上1位)を観測、中心から離れた帯広や釧路地方でも強風が吹きました。

台風では風が強い領域は中心付近に集中しているのに対し、温帯低気圧では広い範囲で強風が吹くため警戒が必要です。