メイン画像
メイン画像

あす『山の日』から始まるお盆休みは16日までの最大6連休。うだるような暑さが続く平地を離れ、涼しい高山で余暇を過ごそうという山好きも多いはず。お盆期間中の天気の大まかな傾向を解説します。目的の山域の天気予報を理解する手がかりにしてください。なお、予報は時間が経つほど実際の天気とのずれが生じる可能性が高くなるので、山に入る前には必ず最新の天気予報を確認し、崩れる心配がある場合には無理しないことを原則としてください。

13日、14日に台風が接近

画像A
画像A

まず警戒しなくてはいけないのが、今後、南の海上で発生する予想の台風です。台風は太平洋高気圧の縁を回りこむ進路をとってゆっくり北上するでしょう。13日から14日にかけて東日本と北日本にかなり接近し、上陸するおそれもあります。日本近海の海面水温が平年に比べて1℃から2℃ほど高く、この台風は接近直前まで勢力を強める予想です。比較的コンパクトな構造であることも、接近時に急激に天候が荒れることを意味するため、13日、14日の登山は細心の注意を払わなければなりません。

台風の予想進路上に富士山や日本アルプスなどが含まれています。とくに太平洋に面した富士山では台風が南の海上のコースを通ったとしても暴風雨が予想されることから、計画の中止や変更を含めて検討してください。

太平洋高気圧の北縁に前線が停滞

画像B
画像B

台風以外の要素に目を向けましょう。お盆休みの期間中、日本の東に陣取っている規模の大きな高気圧が太平洋高気圧です。一方、北日本には前線が停滞し続けます。前線は太平洋高気圧の北の縁に形成されているので、太平洋高気圧の張り出しが強まれば北上し、高気圧が弱まれば南下すると考えてよさそうです。

11日、12日は太平洋高気圧が東日本と西日本の太平洋側に張り出しており、関東甲信、東海、近畿、中国・四国、九州の山では不安定さは残るものの晴れやすく、典型的な夏山の天気となるところが多いでしょう。東北、北陸は前線の影響を受け、引き続き曇りや雨のところが多くなりそうです。北海道は南にいくほど前線の影響を強く受ける見通しです。

13日、14日は、週間天気図には反映されていませんが、台風が太平洋高気圧の縁を通過します。東日本・北日本の山は暴風と大雨に警戒が必要ですし、台風接近時に前線が南下するため西日本の山でも一時的に雨のところが多くなる可能性があります。

15日、16日は太平洋高気圧が徐々に後退するため、前線が南下する予想です。前線の近くでは、曇りや雨となりやすいでしょう。

晴れていても油断大敵

画像C
画像C

お盆期間中は台風や前線の影響を受けるため、夏空が広がるエリアはあまり多くないかもしれません。ただし、エリアを選べば快適な夏山を楽しめます。夏山の天気の傾向をしっかり押さえて登山を楽しみましょう。

典型的な夏山では、夜明けごろから早朝の気温の低い時間帯がもっとも雲が低く、穏やかに晴れる傾向があります。一方、日が昇って気温が上がってくると、高山帯に積雲が広がってしまい、平地は晴れているのに山では雨が降っているパターンが増えてきます。これは気温が上がると湿った海風が入りやすくなり、雲の材料が供給されるためです。山岳地帯では風が強制的に上昇するため、平地に比べてすぐに雲が発生します。

今年の夏の特徴として湿った空気の量が多く、例年以上に局地的に積乱雲が発生しやすい傾向があるようですから、天気予報で晴れとなっていたとしても、午前中の比較的早い時間帯から天気の急変に備えるようにしてください。