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東北北部では、9日(火)から1週間程度、長い期間、雨が続く予想です。日本気象協会では、この期間の降水量について解析を実施。11日(木)までの72時間雨量が600mm前後に達し、これまでの観測の最大値の1.5倍を超える、経験したことのない「記録的な大雨」になるおそれがあります。

東北北部 「経験したことのない大雨」のおそれ

8月1週目は、東北や北陸を中心に大雨となりましたが、また、東北北部で大雨となるおそれがあります。

日本海から北海道にある前線が、明日9日(火)以降、東北地方に南下し、1週間程度にわたって停滞する予想です。この前線に向かって、南西から大雨のもとになる「暖かく湿った空気」が流れ込む影響で、青森県・秋田県・岩手県など東北北部を中心に、断続的に雨量が多くなりそうです。

日本気象協会独自の「JWAアンサンブル雨量予測」では、明日9日(火)から11日(木)にかけての72時間雨量が、東北地方北部の多いところで600mm前後に達する予測となっています。この値は、これまでに観測された雨量の最大値との比(既往最大比)では150%超に相当します。

日本気象協会と静岡大学牛山素行教授との共同研究の結果によりますと、既往最大比150%を超えると犠牲者の発生数が急増する可能性があり、災害発生危険度が極めて高くなるおそれがあることを示していると言えます。

今回の大雨の特徴

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東北地方北部では、先週の8月2日(火)から3日(水)にも、200mm以上の雨量となり、72時間雨量では既往最大比が100%~130%となる地域がありました。

今回予想されている雨量は、これをさらに上回る可能性があります。

今回の大雨の特徴は、72時間またはそれ以上の長時間にわたって大雨が続くことです。長時間大雨が続いて土壌の水分量が多くなった状況では、時間雨量30mm前後の雨が降っただけでも土砂災害が発生する可能性があります。

昨年の7月3日に静岡県熱海市で、8月15日に長野県岡谷市でそれぞれ発生した土砂災害では、2~3日間程度雨が降り続いた後、1時間に30~40mmの雨がきっかけで発生しました。災害の危険性があるところにお住まいの方は、雨が強くなってからではなく、早めの避難を心掛けるようにしてください。

また、最新の気象情報を確認し、厳重な警戒をしてください。

土砂災害の前兆とは

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今回の大雨では、土砂災害の危険度が高まるおそれがありますが、土砂災害の前兆現象は以下の通りです。

・豪雨や長雨が続いている
・川が濁ったり、木が流れたり、土臭いにおいがしたりする
・降雨が続いているのに、川の水位が減少する
・斜面(崖)から物音がする、石が落ちてくる、水が浸みだす
・地面に亀裂や段差が生じる、木が傾いたり、地面が揺れたりする
・地鳴りがする
・いつもと違うことが起きる

このような時には、土砂災害の危険度が高まっています。すぐに周りの人に声をかけて、斜面から離れ、安全な所へ避難してください。