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ヨーロッパ西部を中心に、7月上旬から顕著な高温が続き、スペインやイギリスでは気温が40℃を超す高温に見舞われた地域があります。一方、7月中旬は日本の上空には寒気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定になり、記録的な大雨となった所がありました。これらの極端な気象の原因の一つに偏西風の蛇行があげられます。

ヨーロッパで顕著な高温

ヨーロッパ西部を中心に、7月上旬から顕著な高温が続いています。気象庁によりますと、スペイン南部のコルドバでは、7月12日、13日に最高気温43.6℃、フランス南部のトゥールーズでは、7月17日に最高気温39.4℃を観測しました。また、イギリス東部のコニングスビーでは、7月19日に暫定値で最高気温40.3℃を記録したと報じられ(イギリス気象局)、2019年7月25日にイギリス南東部のケンブリッジで観測されたイギリスにおける最高気温の記録を更新しました。

スペイン、ポルトガル、フランスでは大規模な山火事が発生したと報じられています。また、イタリアでは一部地域が干ばつに見舞われており、河川の水位が低下しました。

高温の原因

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この顕著な高温をもたらした要因として、偏西風の蛇行があります。偏西風の蛇行に伴ってヨーロッパ西部付近では背の高い高気圧に覆われたことに加え、南からの暖かい空気の流入や強い日射の影響で、地表付近の気温が上昇しやすかったことがあるとみられています。加えて、地球温暖化に伴う全球的な気温の上昇傾向も影響したと考えられています。

偏西風の蛇行は日本にも影響

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偏西風の蛇行は日本の天候にも影響を与えました。

偏西風の蛇行により、7月中旬は、日本の上空には寒気が流れ込みやすく、大気の状態が非常に不安定になりました。日本列島では所々で雨雲がや雷雲が発達しました。東北から九州の所々で猛烈な雨が降ったとみられ、「記録的短時間大雨情報」が相次いで発表されました。特に、7月15日から16日には宮城県で記録的な大雨となり、浸水や土砂災害による被害が起きたり、宮城県大崎市内を流れる名蓋川で堤防が決壊したりするなど、大きな被害がでました。