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1982年に発生した「長崎大水害」から23日で40年。この水害では、長崎県の長与町役場で国内の観測史上最高の1時間187ミリの豪雨を観測。大規模な土砂災害や川の氾濫などにより死者・行方不明者は299人にものぼりました。この豪雨の後、「記録的短時間大雨情報」が設けられるなど、防災情報が充実されていくきっかけにもなりました。大雨が激甚化している今、あらためて災害への備えを見直しておきたいものです。

「長崎大水害」

「長崎大水害」は、1982年7月23日の夜に発生しました。長崎市の北に位置する長与町役場では午後8時までの1時間に187ミリの雨量を観測。気象庁による観測ではないものの、40年たった今でも国内での観測史上最高の1時間雨量となっています。また、長崎市では1時間100ミリ前後の雨が降り続き、午後10時までの3時間雨量が313ミリに達しました。
この豪雨により、大規模な土砂災害や川の氾濫が相次いで発生。死者・行方不明者は299人(このうち長崎市内262人)にものぼり、その多くが土砂災害によるものでした。

「記録的短時間大雨情報」が設けられるきっかけに

この「長崎大水害」を受けて、気象庁では防災情報のあり方についての検討を開始。翌1983年からは記録的な1時間雨量が観測された際に、「大雨に関する情報」にその状況が記述されるようになりました。これがその後、「記録的短時間大雨情報」として発表されるようになり、発表基準の変更などを経て、現在に至っています。

激甚化する大雨へ備えを

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記録的短時間大雨情報が設けられた後も、土砂災害警戒情報や大雨特別警報、危険度分布など、これまでさまざまな防災情報の充実が図られてきました。また、観測や予報の技術も向上してきました。
しかし、その一方で近年、大雨が激甚化していることが指摘されており、九州では線状降水帯による豪雨も多く発生しています。
「長崎大水害」から40年がたちましたが、「坂のまち」とも呼ばれる長崎は、斜面に多くの住宅が建ち並び、ひとたび豪雨が降れば大きな土砂災害などが起こりやすいのは、現在でも変わりません。あらためて大雨災害への備えを見直しておきたいものです。