「ラニーニャ現象」秋の終わりまで続く可能性が高い　今夏は猛暑に警戒　厳しい残暑か

気象庁はきょう11日、エルニーニョ監視速報を発表しました。秋の終わりにかけて「ラニーニャ現象」が続く可能性は60%と高く予想されています。

「ラニーニャ現象」秋の終わりにかけて続く可能性が高い

気象庁はきょう11日、エルニーニョ監視速報を発表しました。

それによりますと、6月の太平洋赤道域の海洋と大気の状態はラニーニャ現象時の特徴を示しており、昨年秋からラニーニャ現象が続いています。

今後、エルニーニョ監視海域の海面水温が一時的にやや上昇するものの、秋の終わりまでは基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測しています。
このため、秋の終わりまではラニーニャ現象が続く可能性が高く(60%)、夏の間に平常の状態になる可能性もある(40%)としています。

ラニーニャ現象とは

「ラニーニャ現象」とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象です。

太平洋赤道域では、貿易風と呼ばれる東風が吹いているため、通常、暖かい海水は西側のインドネシア付近に吹き寄せられる一方、東側の南米沖では、海の深い所から冷たい海水がわき上がっています。ただ、何らかの原因で東風が強まると、西側の暖かい海水が厚く蓄積するとともに、東側にわき上がる冷たい海水の勢いが強まり、南米沖の海面水温が通常より低くなるのです。

日本への影響は　暑さ厳しい夏に

「ラニーニャ現象」は海で起こる現象ですが、発生すると大気にも影響を及ぼします。
雨や雪の降りやすい場所や、風の吹き方、気温など日本の天候にも、様々な影響が出てきます。

「ラニーニャ現象」発生時の日本は、上の図のように7月から9月にかけては、西日本から北日本にかけて平均気温は平年並みか高くなる傾向にあります。

最新の一か月予報でも、東日本、西日本を中心に気温が平年並みか高くなる予想です。
7月下旬には再び太平洋高気圧が勢力を強めて、全国的に晴れて厳しい暑さが続きそうです。
体調管理にご注意ください。